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教師はもっとスマホを使ってください

スマホをよく知らない・あんまり使わない教師(に限らないけど)からすると、スマホってPCの延長、小さいパソコンみたいなイメージがあるんじゃないかと思う。でも、PCじゃなくスマホをメインで使ってる、スマホを学習にも使ってるイマドキの学習者(じゃなくてもいいけど)は、スマホは紙とペンと並ぶような道具ってイメージなんじゃないか。

僕は仕事では、語彙や用語の検索サイト(教材)を作ることが多いんだけど、そういうのって一昔前は電子辞書が担ってたようなモノ。サッと取り出して、サッと調べられることが大事。スマホはもっと多機能で多様な使い方ができるけど、その場その時に応じた使い勝手が重要だろうなと思うわけです。

で、教師に「スマホで使いやすいようにしましょう」と提案すると「あー、スマホでも見られると便利ですよね」ってリアクションが返ってくることが多い。そこに「私はPCで見るんだけど」って前提があったりする。いや、学習者は教室にノートパソコンとか持ち込まないでしょ。勉強は教科書を使うけど、机はPCと教科書とを並べて置けるほど広くないし。だから片手でパパッと、気になったことをちょっと確認したら授業に戻る。PCみたいに、じーっとディスプレイを見つめることは少ないんじゃないですかね・・などと話してみる。

とりあえず、そこまでイメージしてもらって、時間があれば教師といっしょに学習者に聞いてみる。どんなスマホ使ってる?とか、普段どんなアプリ使ってるの?とか。教材の開発プロセスも、モックアップができたら試しに学習者に使ってもらって検証、という工程を含められるのが理想。それぐらいやらないと、教材を使う側の立場に立って作れない。開発側の僕もそうだから、きっと教師もそうだと思う。

紙の教材は、教師も長年使ってきて勘所がわかってるし、コンテンツは様々でもナビゲーションや機能にさほどバリエーションがあるわけじゃない。だから何となく作り始めても「そこそこ使えるもの」が作れるって感覚が教師にはあると思う。

でもスマホ向けの教材とかになると、そうはいかない。教師は普段スマホを使い込んでない。それどころか苦手感があって避けている。学習者が何をどう使うのかもわからない。教材設計においても、機能もデザインも選択肢の多さは比較にならない。でもそのことに気づかず、同じ調子で作り始めて失敗する。これまでも、これからも、そういう事例がいっぱいだろう。

そこを何とかするには、技術を知ってる開発側の役割も大きいんだけど、やっぱり教師がもっとスマホを使っていかないと厳しいと思うんだよね。学習者に追いつく、じゃなく、少なくとも半歩先を行くぐらいに、教師はなってもらわないと。