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デザイン・Web・教育などをテーマに書きつづっていく、角南北斗のブログです。

これからのPCカンファレンスに望むこと

今年もPCカンファレンスに参加してきました。今回の会場は熊本大。PCカンファレンスは毎年夏に開催される情報教育の全国大会で、僕は2003年から(たぶん)皆勤賞。諸事情で分科会発表の連続記録は今回で途絶えてしまいましたが、自分の中で完全に夏の恒例行事になっています。

主催学会(CIEC)の広報委員をやっていることもあって、ハッシュタグを作って期間中はガシガシ書き込んでいたのですが、Twitterユーザーがあまりいないのか今どき流行らないのか、ほとんど同じ顔しか並ばないタイムラインになってしまったのは残念。それでも(書き込まないまでも)見ている人はそこそこいるようなので、例えば分科会で発表する人とか、告知や報告をツイートしたら効果的な宣伝になると思うのですけど。

次回開催地は甲南大学(神戸にあります)ということで、僕個人としては遠くはないが近くもない微妙な場所ですが、できる限り参加、分科会発表もしたいと思います(今回は発表しないんですか?と多くの人に聞かれたので、やっぱり発表はしないと損ですね)。で、次回以降の開催で改善されるといいなと思うところを簡単にまとめておきます。

ポスターの設置は教室中央ではなく壁沿いに

今回のポスター発表は、例年のような広いスペースにまとめてではなく、いくつかの小さな教室に分かれていました。たぶんいつもの癖だと思うのですが、教室の真ん中にボードを立てて両面にポスターを貼らせる形にしてました。ただでさえ部屋が大きくないのに、発表者同士が背中合わせ、そこに聴衆を群がらせるというのは、声も場所も重なってやりにくかったです。僕が普段参加している他の学会では、教室の場合はポスターは壁際に配置して中央をあける形にしています。これなら全体も見渡せるしスペースを有効に使えるのではないでしょうか。

参加者アンケートはWeb版もあっていい

これまで紙のアンケートと回収箱の設置というスタイルがずっと続いていますが、1つの部屋で同じ席でずっと聞いているイベントと違い、部屋の移動があるぶん、紙を落ち着いて書くタイミングがなかなかない印象です。回収率とかどうなのかな。Web版はGoogle Formとかで簡単に作れると思うので、併用してもらえるといいのではないかと。

あと、シンポジウムなどまとまった時間が設けられているものは、そのセッションの終わりのタイミングで選択式の満足度アンケートとか取るのはどうでしょう。会場のスクリーンにアンケートのURLのQRコードを表示して、スマホでもパパッと答えてもらう。同じ仕組みで、セッションのコンテンツとして参加型の仕掛けを用意してもいいですよね。ついでにハッシュタグとかもしつこく掲示できると、ウェブにもコンテンツがあるんだなって参加者に思ってもらいやすいかと。

司会のタイムキープを助ける工夫を

上に書いたような、セッションの終わりにアンケート回答の時間を設ける場合、きちんと予定時間内に本編が終わらなければなりません。でも、時間オーバーの発表ってまだまだあります。分科会は20分、パネルセッションでも個人の持ち時間は同程度だと思うのですが、尺に合わない内容を持ってきても平気、全然練習してなくてダラダラでも平気、オーバーしても止められることがないから平気、というのは登壇者としてアウトでしょう(そういう人はたいてい発表内容も良くないですが)。そこはみんなプロとして時間意識を持ってほしい。

でも、やっぱりオーバーしちゃう人は出てくるので、司会がカジュアルにストップをかけられる工夫がほしいと感じます。小さなベルの音じゃなく、もう少し派手に明るくゲームっぽい感じで時間終了を告げられるような演出があるといい。チコちゃんに叱られるぐらいの感じで。司会が勇気を持って注意できるかどうかに依存するんじゃなく、全体のノリを作りながらタイムキープができるような仕組みを試してもらいたいです。

大学生とベテラン教育者の合同セッションを

PCカンファレンスの特徴の1つに、大学生がけっこう多く参加するところがあります。大学生協のPC講座は大学生がスタッフをしていて、それ関連のセッションが豊富にあるというところが大きいのですが、それゆえに大学生は同じPC講座系のセッションに優先的に参加しがち。大学生が同じ立場の人たち同士の交流を優先するのは当然ですが、せっかく他に多くの教育関係者がイベントにいるのだから、そういう人たちからも何かを得てほしいと感じます。また逆に他の教育関係者は、大学生の考え方や取り組みにもっと目を向けてほしいし、いっぱい苦言を呈されてほしいですね。似た境遇の教員同士で愚痴っているだけではもったいない。

ただ、今のプログラムだと、ほとんどの時間帯でPC講座系のセッションが並行で走っていて、僕みたいな物好きがそっちに行く可能性はあっても、逆に大学生が他のセッションを優先選択することは期待しにくい。大学生もいわば仕事で来ているわけですから。この状況は(十数年前の僕のように)PC講座とか何も関係ない大学生がふらっと参加した場合、どちらのセッションも固定客が中心で混ざりにくいと感じるはずです。なので、PC講座系セッションの走っていない時間帯をわざと作って、様々な参加者が混ざって議論できる機会を作ってほしいですね。その分野の初心者にも優しいセッション、ちょっと分野ガイドっぽいセッションとかもあっていい。そういう場をデザインしても良さそうな空気感が、PCカンファレンスっぽさだと勝手に思っています。

学校じゃない話が聞きたい

フリーランスという立場で自由に仕事をし、PCカンファレンスでも他の人がやらないような内容を発表している僕ですが、それでも大学などで授業を担当するようになると、授業という枠組みを常に意識して物事を見るようになります。それは、自身の明日からの実践的な行動を考えるという点で良いことではあるのですが、授業に結びつけにくそうな話にはスルーしがちになる、ということでもあります。例えば、それでどうやって成績をつけるの?とか、学習者の意欲やスキルの差はどう埋めるの?とか、それ学生は拒否反応を起こしそうだよね?とか、そういう心配が先に立ってしまうわけです。結果、小さくまとまったツマラナイ話しか入ってこない。

学習者にとって本当に重要な学びを考えるのって、学習者が今まさに置かれている状況によりそったり、これから直面するであろう未来のことを予想してデザインしたりすることが優先されるべきであって、それは単位とか出席日数とか成績とかいった学校社会の古い決まりと相性が悪くて当然なんですよね。だから、そうした決まりとの折り合いは後で考えるべき(あるいは徐々にぶっ壊していくべき)で、まずは何事も枠組みを外し自由に眺めて評価したほうがいい。

同じ枠の中で日々仕事をしている人同士だと、どうしてもその枠を外して考えにくい。だから別の世界にいる人たちの考えを他人として気楽に聞ける、こういう分野横断的なカンファレンスに参加する意味があるんだと思っています。これからもっと、学校とか授業とかそんなの関係ねぇっていう発表が聞ける場として、それを自身のフィールドでの実践に落とし込むためのディスカッションができる場として、PCカンファレンスが進化していくと楽しいのになぁと思っています。

おわりに

とまぁ改善点ばっかり書いてると何だかつまらないカンファレンスに見えるかもしれませんが、冒頭に書いたように毎年欠かさず参加してるぐらいだから、行ってよかったなと毎年思うイベントです。今年もそう。いつもの人たちといつもの話ができるし、特に大学生を中心とした若い人たちの賢さに触れられる場です。

あと、レセプションでふるまわれる地元料理は毎回楽しみなんですが、今回は特にすごかったです。ほんと何食べてもおいしい。九州の大学生協の調理スタッフってどんだけスゴ腕なんですか。

来年も良いカンファレンスになるよう、僕も自分のできることを頑張ろうと思います。今期からCIECの理事にもなったので、決意しなくても仕事が回ってきそうな予感がありますが(笑)。

それではみなさま、来年のPCカンファレンスで、またお会いしましょう。