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デザイン・Web・教育などをテーマに書きつづっていく、角南北斗のブログです。

教材アプリとかの企画を考えるときに大切な3つの視点

いつか日本語学習のアプリを作りたいと思っているのですが・・という(漠然とした)相談を受けることが時々あります。聞くと「アプリ(ないしはサイト)教材の企画をどうやって詰めていったらいいかわからない」と。そういうとき、僕は以下の3つを検討ポイントとして挙げることが多いです。

1. 制作側の専門性を生かしているか

日本語教師が手がける日本語学習教材なので、当然日本語に関する専門性を生かせるコンテンツがいいです。たとえば漢字の研究者であれば、ストレートに漢字の教材がいい。すでにデータベースなんかを作っているのであれば、それを活用するのが早道でしょう。逆に、自分が詳しくない・関心が薄い分野で勝負するのはオススメしません。たとえば、自分はアニメに興味がないのにアニメに絡めた教材を作る、とかは厳しい。現場教師は日ごろ接する学習者のニーズを読み取りやすいので、そのニーズを優先してデザインするあまりに・・というパターンがあります。

2. 利用者のニーズを無視していないか

これは1つ目の項目と絡むことですが、プロジェクト自体が「せっかくデータがあるので、これで教材を作ろう」という感じで始まった場合、結果として「それ誰が使うんだよ」なものになることがあります。手元のデータが教材化に向かない、現場や学習者のニーズに合っていない、でもこのデータを使いたいんだよね・・みたいな。データを作った側からすると愛着があるので、僕も無下に「このデータで教材を作るのやめませんかね?」とは言いにくいわけですが、使えない教材を自己満足で作ることほど悲しいものはないです。また、データは大筋で使えるものであっても、教材化するにあたってアレンジが必要(ラベルや訳語などのデータを大量に付与する必要があるとか)な場合がほとんどで、これが意外にヘビーな作業になったりします。

3. お金を出して買う価値があるか

あなたが学習者なら、そのアプリが有料でも使いますか?ということです。アプリにしろサイトにしろ、作るときだけでなく維持するのにもコストがかかります。作るコストは何かの研究費とか補助金とかでまかなえたとしても、そのアプリやサイトが収益を上げられないのであれば、外部資金が途絶えた時点で教材の公開が不可能になります。これは学習者にとって非常に困ることなので、売れるものを作ろうとする意識は大切。

実際は無料アプリにして広告収入を得るビジネスモデルもあり、絶対に有料にしなければならないわけではありません。でも「とりあえず予算が取れたから作ろう」みたいな無計画さでは、ターゲットもコンセプトも曖昧になりがちで、競合にあたる似たような教材の調査を怠っているケースも多いです。その結果、誰も使わない教材ができがあってしまうという。

不思議なのが、アプリを作りたい!と言いながら自分は普段アプリをあまり使っていない、有料アプリとか買ったこともない、という人が一定割合いること。昔でいう「ホームページとかよく分からんけど儲かるんなら作ってや」な社長さんみたいなものかもしれませんが、そんなので良い教材が作れるんなら苦労はしません。

ということで、当たり前といえば当たり前の内容ですが、僕はこういう話をしつつ、制作依頼側の考えを聞き出すことが多いです。最初の相談時点でこうしたことが考え抜かれている企画なんて、実際にはほぼありません。考えるのって大変ですからね。だから、話をしながら詰めていくのが僕の仕事だと思っていますので、何か面白そうなアイディアがある方はお気軽にご相談ください。