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デザイン・Web・教育などをテーマに書きつづっていく、角南北斗のブログです。

デザインについて学べる(僕の関心領域の)本のリスト

デザインについて学べる本のリストを作る、というタスクを設定したものの、何ヶ月も完成させられないでいた。やっとこさ作れたので記事にする。

デザインという言葉は意味の範囲が広いので、会話で使うときには注意が必要になる。ウェブサイトのボタンのビジュアルを作る作業もデザインだし、会社における事業のあり方を決めるのもデザインだし、人と人との関わり方を方向づけるのもデザイン。だから認識の行き違いが起きないよう「**のデザイン」と言葉を添えて限定したり、デザインという言葉を使わないで表現したりすることも多い。

でも、個別具体的な作業だけに意識を向けていてもやがて行き詰まるし、その周辺の様々なことから学ぼうと思うと「デザインっていったい何なのか」を考える必要が出てくると思う。そこで「デザインについて(視野を広げて)学べる本」なのだけど、選んでいくうち、一般的な視点でバランスよく選ぶというのは無理で、自分の日々の活動や関心に紐付いた本しか出せないな、ということに気づいた。そんな本を挙げたのが以下のリスト(順番に意味はないです)。

  1. 武井正理「未経験者のためのデザイナー就活テキスト」
  2. 佐々木正人「レイアウトの法則 ー アートとアフォーダンス」
  3. 上田信行「プレイフル・シンキング」
  4. 原研哉・阿部雅世「なぜデザインなのか」
  5. 高尾隆・中原淳「インプロする組織 Learning × Performance」
  6. 眞木準「ひとつ上のプレゼン。」

以下、それぞれについて簡単に紹介。

1: デザインとはどういう仕事なのかを知るうえで、武井正理さんの「未経験者のためのデザイナー就活テキスト」はとても良い教材。書名が「就活テキスト」で、帯に「就職活動のルール」とか書いてあるけど、そこは無視していいです。ノウハウ本として売る方が良いという編集さんの判断なのかもしれませんが、そういうふうに読むべきではない内容なので。デザイナーになりたての人にも、デザイナーになるつもりはないけどデザインについて学びたい人にも、おすすめです。

2: 僕が佐々木正人さんを知ったのは「アフォーダンス ー 新しい認知の理論」という本に出会った大学生のころ。ギブソンの生態心理学という内容も衝撃的だったけど、佐々木さんの文章が本当に見事で、プロって凄いなぁと感動した。この「レイアウトの法則 ー アートとアフォーダンス」では、佐々木さんが「レイアウト」をキーワードに様々な分野の事象を観察し考察している。何がしかのデザインに関わっている人は間違いなく面白く読めるだろうし、デザインをこれから学ぶ人は、その概念の広さを感じることができるのではないかと。アフォーダンスといえば「誰のためのデザイン?」のノーマンが浮かぶデザイナーも、佐々木さんの本でギブソンのいうアフォーダンスにも触れてみるのはいかが。

3: 僕は在学中は、最後まで自分の関心を研究テーマに落とし込むことができなかったのだけれど、在学中にこの「プレイフル・シンキング」に出会っていたら人生違っていたかな、と思うくらいに自分の関心領域と近い本です。場のデザインをしていると自覚しているような人には特におすすめ。なお、上田さんの本は他に「プレイフル・ラーニング」もありますが、より考え方の解説が濃いこちらの本の方が僕は好みですね。

4: 日本語教育の世界を経由してデザインの仕事をしている自分にとっては、日本と海外のデザイン話がいろいろと出てくる「なぜデザインなのか」は親近感を持って読めました。日本語教師の友人との雑談で出すネタは、ここから取ってくることが多いです(笑)。デザイナーが日常をどう見ているか、という話に関心がある人は、ナガオカケンメイさんの「ナガオカケンメイの考え」もおすすめです。

5: 大学生のころ演劇をやっていた僕ですが、最近の(ブームと言っていい)ワークショップで行われるアクティビティの設計の雑さ、押しつけがましさみたいなものに、モヤモヤとしたものを持つようになりました。その気持ちにクリーンヒットしたのが、この「インプロする組織 Learning × Performance」です。具体的な方法が書かれているわけではないですが、授業やイベントのデザインをしている人には響く内容が多いかと。

6: コミュニケーションのデザインを扱った本はいろいろあるけれど、高校生の頃から広告業界に関心を持っていた僕としては、この「ひとつ上のプレゼン。」は心に残る名著。後にシリーズ化っぽくなって2冊ほど同コンセプトの本が出てますけど、出来はこの最初の本がいちばんかな。対象が広告業界のプレゼンだし、テクニック集ではなく考え方を集めたものであるので、即効性のある本ではないです。ただ課題にどう向き合うのか、どう表現するかに対する真摯な姿勢が伝わってきて、学ぶところが多いなぁと。ちなみにプレゼンについては、大学生に教える機会があるので自分で本を書いたりもしているのですけど、村尾隆介さんの「ビジネスは、毎日がプレゼン。」を読んだときは「あれ、この本を書いたのオレじゃね?」って思ってしまうほど考え方が自分と似ていて驚いた。

今回このリストを書くにあたって、本棚をひっくり返してあれこれ読み直しました。上の6冊ほどではないし、内容も若干マニアックだけど、お気に入りの本がいくつか出てきたので、それをリストにしておきます。

なにか気になる本があれば読んでみてください。で、よかったら感想を聞かせてください。