Re:Creator's Kansai セミナー:菊池崇さんのセッションを聴いて
- 2009年10月13日
リクリことRe:Creator's Kansaiのセミナーに参加してきました。今回のスピーカーは菊池崇さんと長谷川恭久さん。セミナーのテーマは「Web制作の近未来像」だったわけですが、実際はカラフルな未来のお話というより、地に足のついた次の一歩を提案するような(いい意味で)現実的なお話だったという印象です。お二人ともスライド等を後日公開されるそうなので、内容の紹介についてはそちらを見ていただくとして、個人的に記事なった箇所を中心に考えたことを。
まずは菊池さんのセッションから。
菊池さんのセッションを聴くのは2回目で(懇親会で名刺お渡ししたら覚えててくれてた!w)、前回は「CSS Reloaded」のときでした。このときは具体的なコードを派手目な実例とともに紹介するというような内容でしたが、今回はシンプルで実用的な例と、必要以上に難しく考えないようにというアドバイスが印象的でした。スクリーン環境などもあってデモがちょっとやりにくそうでしたが、限られた時間の中でシンプルに程よくまとめられていたように思います。
これは菊池さん自身のコメントではないのですが、HTML5やCSS3はJavaScriptやFlashと領域が重なりつつあるのではないかというツッコミに「好きな方を使えば?」という意見がある、ということを紹介されていました。確かに、制作側のスキルなどに合わせて手段が選択される、ということなのかもしれませんが、リッチなUIを求めない利用者が取れる選択肢は何か?と考えると、なかなか難しい問題かもなぁという気がしました。
CSSオフ環境、JavaScriptオフ環境、Flashオフ環境を考えた設計をしましょう、ということは昔からよく言われていることです。それは、モバイルデバイス時だとか、アクセシビリティだとか、どちらかというと「フルバージョンでコンテンツを楽しむことが難しい」場合への対応という印象が強かった気がします。
でも考えてみると、自宅のMacで特に制約のない環境でブラウジングしていても、JavaScriptやFlashで実装されたメニューが使いにくくて、もう普通にHTMLのテキストリンクでいいのに!と思ったりしたこと、ありません?リッチなUIが必ずしも使いやすさを生まないというか、だってUIは個々人の好みもあるし、というか。UIじゃなくても、ポップアップうざいとか、スプラッシュムービーなんなのソレとか、あるじゃないですか。
ブラウザの環境設定でJavaScriptをオフにする、Flashのプラグインを入れない、という手段を用いれば、そういう問題はスキップできるかもしれません。でも、CSSで実装されている使いにくいUIを回避しようと思うと、CSSをオフにすることになり、文字やレイアウトの指定は生きててほしいんだけどなーということになるかなぁと。
自分で別にスタイルシートあてればいいじゃん、というのは確かにそうなんですけど、みんなにそれを要求するのはなかなか難しそう。自分でCSSを書かないにしても。ブラウザの「ポップアップウィンドウを開かない」設定みたいに、JavaScriptやCSSのような技術名を使わないで挙動を指定できればその方がいい気がします(まぁ「ポップアップウィンドウ」も専門用語だけど)。「ウザいUIをオフにする」とか。そうか、ここでHTMLのナビゲーションの出番なのか。うーむ。どの技術を使うかの選択の幅が広がることで、アプリケーション側の設計が大変になるってことはないのかな、という思いもよぎったのでした。