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Power CMS for MTのセミナーに参加して

先日、MTのCMS機能を拡張する「Power CMS for MT」ハンズオンセミナーに行ってきました。製品の主要な機能について、参加者が実際に操作しながら理解していくというスタイル。僕はMTを仕事ではあまり使ったことがないのですが、この日の時間を有効に使おうと、MT本を何冊か読んだり、製品マニュアルをざっと眺めたりして準備していました。Power CMSはいわゆるMTのプラグイン集で、コードを書くにしてもMTのお作法に従っているわけで(当たり前かもしれませんが)、製品の理解と並行して、MTによるサイト構築への理解も深めることができました。

他の参加者が「現場目線でMTのイケてない部分を的確に改善している」と話していたのですが、MTのイケてない部分をそれほど実感していない僕でも、プラグインが用意されている部分は「なるほどー」と思える部分ばかりでした。特に管理画面の機能強化は、単純に機能を付加するだけでなく、どんなインターフェースだと直感的に使えるかもよく考えられていて、非常にスマートな印象を受けました。

で、Power CMSの評価ですが、MTを使い込んだ経験がない僕には、一般的な評価はちょっと難しいというのが正直なところ。無償で使えるプラグインも多数出回っている状況で、プラグイン集に20万円以上も投資するのはどうなのか?というのは事前に思っていたところです。僕はブログ系CMSとしてはNucleusが詳しいのですが、Nucleusのプラグインがそれだけの金額で売られているとしたら、なかなか購入までには至らないでしょう。では、Power CMSの価値はどう捉えたらいいのか。

僕はプログラムが書けないので、プラグインを使ってもできない実装が必要な場合、Nucleusの利用を諦めます。プログラムができる人にシステムを作ってもらうことになります(Nucleusはメジャーではないので、そのプラグインを書いてもらう人を探す方が大変そうだし)。サイト全体に関わるシステムなので費用も時間もそれなりに必要なわけですが、Power CMSはそういう「システム開発」をパッケージで提供するというものなのかな、と思いました。「SOY CMS、PowerCMS for MT・・・どんどんレベルがあがる国産CMSパッケージ - 小さな世界」によれば「中〜大規模案件のエンタープライズCMSと互角に戦える」とのことなので、そう考えるとPower CMSの価格は安い、ということなのでしょう。

Nucleusをプラグインペースで改良して大規模案件に使う・・・というのは、僕はちょっと考えつかないですね。無償で使えるCMSとしてはすごく柔軟にできてますけど、細かい機能で見れば足りないところは多数ありますから。MTはNucleusと同じような規模で使う場合はたいして魅力を感じないのですが、ベースがそういう大規模案件用の拡張にも耐えうるCMSなんでしょう。確かにMTのタグの組み合わせや、プログラム色の濃い記述の仕方は、Nucleusにはないところですが。

これまでなら他の人にお願いしていたようなシステム込みの案件を、Power CMSを使って自分で全部やれるのなら、それはいいなぁとは思いました。もちろん自分のイメージ通りのシステムを組み上げてくれる人が常にそばにいればありがたいですけど、現状はそういう状況じゃないし、予算の制約だってあるんですよね。僕自身ができることが広がるんだったら、MTでの構築を本腰入れて勉強して、今まで対応が難しかった案件も手がけたいなと。

セミナーを担当されたアルファサードの野田さんは「売りはサポート」だと繰り返し話しておられました。実際にどんな質問が来るのかわかりませんが、さらなるカスタム仕様の相談だけでなく、MTそのものバグなどCMS製品と切り分けられていない質問も来るのかもしれません。導入側のスキルや業務形態も様々でしょうから。これまた実際に体験してないからわかりませんが、そんな質問に丁寧に答えているのだとすれば、購入側も「このCMSとしっかり付き合うか」という気持ちになるのかもしれません。

あー、こればっかりは使ってみないとわかりませんね。Webを検索してわかるわけでもないし。自分自身への先行投資の意味も含めて、いま進行中の案件で提案してみるかな。