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タブレットが広げる学びの機会

それ系の学会でも発表していてアレなんだけど、電子教科書ってのにあまり良い印象を持ってない。タブレット端末を学習に使うのは歓迎なんだけど、それでやることが「教科書として使う」ことなら、全然ワクワクしない。紙の教科書と違って音や映像やインタラクティブな仕掛けが組み込めるんだぜ、というならCD-ROMでやったことと同じ。そしてあれは広がらなかった。

タブレット端末を使えるなら、ネットを使わない手はない。世界中の様々な情報を探せる。見られる。活用できる。場所の制約を超えて仲間とコミュニケーションできる。ネットは、教室の限界や教師の限界を超えて学ぶことを助けてくれる。インストールされたアプリの中にある情報だけで学びが閉じてしまうのであれば、CD-ROM時代と何が違うのか。そんなの全然楽しくない。

学校関係者に聞けば、たとえば学校間の連携などは、現状の教育制度が邪魔して実現が難しいらしい。何かいろいろ事情はあるんだろうけど、もったいないなぁ。そういう制度はトップダウンで変えないといけないんだろうけど、大切な学びの機会を失わせてるってこと、理解している大人の数がまだまだ少ないんじゃないかと思う。

学校教育がそういう状況だと、たとえば親の環境整備次第で子どもの学びが変わってくる、ということもあるだろうと思う。親がITに対して理解や好奇心があって、Webを通して世界の広がりを伝えるようなことを、早くから子どもにしていたら。メディアで報じられる「スーパー中学生」みたいになるケースは特別だとしても、人生に与える影響はけっこう大きいんじゃないかな。

そのことに気づくためにも、ひとりでも多くの教育関係者が、ITとかWebとかに好奇心を持って接してほしい。一歩踏み出せれば、あとは加速がついていくので。