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オンリーワンとナンバーワンは矛盾しない

ちょっと前に

槇原って矛盾してる。「世界に一つだけの花」でオンリーワンの大切さを歌っていながら「No.1」って曲も歌ってるんだぜ。

という発言をネットで見つけました。知らない人のために解説しておくと「No.1」は1993年に発表された曲で、KDD「ゼロゼロイチバン」のCMソングです(だからNo.1なんだとかいう裏話もあるそうですが)。歌詞としては「僕たちは世界で一番素敵な恋をしよう」という内容なのですが、まぁ前述の指摘は揚げ足と言っていいでしょう。ですが、僕は「世界に一つだけの花」の歌詞にどことなく引っかかるものを感じていて、さっき別冊カドカワの槇原特集の記事を読んでいて腑に落ちました。やっぱりあの曲には毒があるんです。

記事は放送作家の鈴木おさむとの対談形式なのですが、そこで「ナンバーワンの人たちであるSMAPがあの歌を歌っていること」がクローズアップされています。みんなオンリーワンでいいんだよ、競争はよくないんだよ、という意味に捉えてる人たちは多いと思うのですが(実際テレビとかでは大半はそういうふうに使われてる感じがします)、込められた意味としてはむしろ逆。ナンバーワンを求めて努力してきたSMAPだからこそ、オンリーワンの価値を歌うことに説得力がある。それぞれに与えられた同じ命を一生懸命活かすことによって、オンリーワンとして誇れるような自分になりなさい、努力を続けることで結果はナンバーワンではなくてもオンリーワンにはなれるよ、という歌なんだと思いました。歌の最後にある「もともと特別なOnly one」というのは、オンリーワンなんだから何もしなくていいよという意味じゃなく、オンリーワンであることを示すために自分なりに努力をしなさいという意味なんでしょう。やっぱり毒があるんですよね。そう思ってもう一度歌詞を見てはいかがでしょうか。

そう考えると「No.1」の歌詞とは全然矛盾してませんね。僕らは世界一の恋を目指して妥協しないで頑張ろうという歌で、それが僕たちのオンリーワンなわけですから。

だいたいマッキーが安易に「競争は良くない」なんて詩を書くはずがないとは思ってましたが、記事を読んで解釈が膨らんで腑に落ちました。スッキリ。