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モバイルファーストに思うところ

今回はモバイルの話を少し書こうと思います。そう思ったきっかけは、先日のチャリティセミナー Untitled!!!!!!!! で、専門学校の同期である谷くん(inkdesign)が「モバイルファースト」に関するプレゼンをやってたり、その谷くんがヤスヒサさんのポッドキャストに出てたりということなんですが、僕は結構なモバイル音痴なんですよね。ケータイなるのものは2005年まで持ってなくて、そのときもPHSというへそ曲がりぶりで、でも別に使いこなすわけでは全然なくて、4年近く使ってiPhone 3Gに乗り換えて今に至る、みたいな感じ。なので、僕自身のモバイルライフというより、見聞きしたことを中心に書いていきます。

モバイルファーストという言葉の意味するところは、いわゆるPCのブラウザで閲覧するサイトよりも、モバイル端末で閲覧するサイトから考えていこうよ、というような考え方だと僕は解釈しています。上に書いたポッドキャスト内でも少し紹介されたのですが、モバイルという言葉自体が、コンピューターに可搬性がなかった時代の発想だと思うんですよね。コンピューターと聞いて何が思い浮かぶか。アップル製品に例えるなら、昔はMacProとかiMacだったかもしれない。でも今はMacBookのようなノート型がよく売れているし、iPadやiPhoneのような端末が最も身近だと思う人も増えているんじゃないかと思います。だからWeb制作者も、デスクトップ向けのサイトのサブとしてiPhoneサイトを考えるんじゃなく、状況や目的に応じてサイトを設計していく方向に頭を切り替えていかないといけない。モバイルの方が大切という意味じゃなく、いったんモバイル側に振り切って考えることで全てをフラットに考えよう、そんな主張としてのモバイル「ファースト」なんじゃないでしょうか。

モバイルファーストの考え方は海外発なんですが、国内にも古くからiモードという世界があったわけですし、ガラケー(ガラパゴスケータイ)なんて揶揄される端末の文化(僕は未体験なんですが)も現在普通にあるわけです。僕がこの数年教えている調理師系専門学校の学生を見ると、iPhoneなどのいわゆるスマートフォンを使っている人はまだまだ少なくて、大半はガラケー。PCのイメージは「何でもできる機械だけど、それゆえに怖い」とか「ケータイのでかい版」といった声が多くて、ケータイを起点に考えている印象が強いです。モバイルファーストなんて言って、PCを起点に考えがちな僕らとは出発点が違うわけです。

一方で、僕の出身大学の留学生なんかは圧倒的にiPhoneユーザーなんだそうです。しかもコストを抑えるため、自宅にはネット回線を引かずPCも買わない。普段はiPhoneでのブラウジングでOKで、必要なときだけ大学の共有PCを使う、みたいな考え方だとか。日本に留学に来る学生はITリテラシーがそれなりに高い人が多いので、自分用にPCを買う場合でもノート型にして、固定回線じゃなくWiMAXとかモバイルの回線を汎用的に使うのかもしれません。僕はこうした留学生相手にサイトを提供することも多いので、モバイルファーストの考え方は今や不可欠な状況になってきています。

日本人学生の所持端末もスマートフォンが増えてきてはいるようですし、就活あたりからPCにも慣れてネットに対する見方も変わっていくのか、いろいろ興味深い点もあります。また彼らの次の世代は、彼らよりPCやネットに親しんでいることが予想されるので、どんな環境でブラウズするのかというのは、本当に多様なものをフラットに考えていかないといけないように思います。日本は事情が複雑なぶん、面白いこともいろいろ起こるのかもしれませんね。制作者は大変なんですけど(笑)