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iPadが活躍するのは、こんな場面

iPadは一部の人たちには不評だそうです。ただの「でかいiPod touch」じゃないかって。まぁハードのスペックとかを見たらそうですよね。

でも「でかいiPod touch」が強く望まれてるシーンというのは確実にあると思うんですよ。MacBook Pro 10 inchを求める人たちがいるように。iPadは、自分自身がそういうシーンに遭遇しているかで評価が分かれるものだと思います。僕は久しぶりにワクワクしてますよ。iPhoneのときほど派手じゃないけど、iPhoneのときより現実的な夢が広がった感じを持ってます。

ということで、こんなシーンでiPadは活躍する、活躍してほしい、と僕が思うことを発売記念に書いておくことにします。

iPadに近いコンセプトのものがあるとすれば、DSとWiiじゃないかと僕は思っています。

DSとはタッチパネルという共通点がありますが、DSはゲーム機でありながら(狭義の)ゲームっぽくないこともできるし、ゲーム世代以外の大人も抵抗なく使えるデバイスとして認知されてきていますよね。学校でも教材として導入されたりしている。iPadも、教材アプリケーションを積んだツールとして教育現場で活躍する可能性を秘めていると思います。見やすく、軽くて、操作が直感的でシンプル。DSよりは高いですが、ネット端末としても使えるし画面だって大きい。それでいてノートPCを買うよりは安く、中身をあまりいじれないぶん管理がしやすい。

Wiiのような、チャンネルを選んで楽しむ感覚は、iPadのホーム画面でアプリを選ぶところと似ています。複数アプリの同時起動もバックグラウンド動作もできないことをマイナスと捉える人は、MacBook Pro 10 inchがオススメ(笑)。OSの操作を極力シンプルにすることで生まれる使いやすさは、結構な人たちに受け入れられると思います。学校教材として小学校で使われる場合はもちろん、僕が今教えている20歳前後の学生の決して少なくない人も好意的に感じる気がしますね。彼らはMacBookでも文字入力をあまりしないし、動画を中心としたコンテンツの利用に重きを置いた使い方をしますから。

僕も、自分が手がけたe-Learningサイトをモバイルに移植できたらいいなぁ、と思うことは何度かありました。DSやiPod touchは利用者が限られてるし・・・と思うと、iPhone SDKとかも今一つ関心がなかったのですが、iPadが教育現場に導入されるような展開になれば、対応アプリの開発とかしてみたい!と思いました。

このようにiPadには教育ツールとしての活用イメージが浮かぶのですが、僕の仕事につなげて考えると、テーブルを囲んだプレゼンでも活躍できそう!と思っています。

サイト制作のプロセスで、クライアントに参考サイトやモックアップを見せて議論をするとき、実は適した環境がなかなかないんですよね。LL教室のようなPC備え付け環境だと、どうしても僕が教卓の側に、クライアントが学習者の席に座ることになるので、なんだか一方的な知識の伝授という空気になってしまいます。互いの距離も離れてしまいますしね。ミニプロジェクタを用いても似たような難しさがあります。じゃあ各自がノートPCを持ち寄って・・となると、普段ノートPCが転がってるような環境でないと準備が大変ですし、互いの画面を確認するのも難しいです。そんなときiPadなら、さっとサイトを示して、紙のように指で指し示しつつ手軽に扱えるわけです。テーブルを囲んでスムーズにやれる。これは大きいですよ。

加えて、プレゼンの場、デモンストレーションの場でも、スマートに「いま動かせるもの」をお客さんに提示できます。画面も大きいし、タッチパネルだとさわってみたくなりますしね。邪魔になるかもとノートPCを持っていくのが躊躇われるようなシーンでも、気軽にカバンに入れられます。プロジェクタにもつなげられてKeynoteの編集もできると来れば、僕の場合はプレゼン出張に必要な機材の第一候補になりえます(MacBook Airと迷ってる)。出先では調整編集とネットがあればよいので、別にMacBook Pro 10 inchじゃなくていいんです。

あと、iPadには電子書籍のメディアとしての役割があるかと思いますが、これは正直成功するかどうかよくわかりません。この分野は詳しくないし、紙の本にこだわりがある方なので。でも学生の教科書はiPad収められるといいだろうなぁ。重くないし、忘れものもしないし。

DSやWiiが、ゲームを普段しない層のユーザーを獲得できたように、iPadもターゲットとなるのは「PCとか難しそうで抵抗がある」人たちではないかと思います。学生だけでなく、その親や祖父母に気軽に楽しんでもらうもの。そうやって普及したら、だいぶ世の中も変わるような気がします。iPhoneは人に勧めづらかったけれども、iPadならいけそうな気がします。ぜひ適切なプロモーション、楽しいソフトウェア、スムーズな利用の流れをアップルにはデザインしてもらいたいですね。

まだ国内販売も未定の状況ですが、僕はiPadに大きな期待を寄せてます。