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人の心とうまく付き合うデザイン

18分と長い動画ですが、いろいろと考えることが多かったので紹介しておきます。

「YouTube - 原子力保安院の大ウソ暴露!(関東エリア未放送)」

僕は原子力の専門家でもなく原発の関係者でもないので、ここで語られていることがどの程度信頼できることなのか、それはよくわかりません。ただ、原発の本当の問題は技術ではなく人の心だ、という主張は響くものがありました。

人の心は弱いものです。自分がかわいいから、保身に走ってしまう。国民の安全を最優先に考えるべきだけれども、一方で自分が責任を問われることには尻込みしてしまう。だから、そんな人の心の問題を考慮しない仕組みでは、必要とされる安全は実現することができない。技術を高めていくだけでなく、そういう仕組み(組織)をいかに設計するかが重要だ。そんなふうに僕は解釈しました。そしてそれは、原発に限らず、社会のいろんな問題に対するデザインのありかたを示すものではないかと思っています。

もちろん、原発でいま起こっていること、その被害に苦しんでいる多くの人たち、そして今後もどこかで似たようなことが起きるかもしれないという恐怖は、単純に「仕方がない」で済まされることでは到底ありません。現在進行形のこの問題を一刻も早く解決するとともに、起こってしまったことに対する責任はきちんと追及すべきでしょう。

でも、同時に僕らは未来をデザインしないといけないはずです。僕らは今を生きているけれど、希望は未来に置いています。人の心の弱さを冷静に認めて、それとうまく付き合えるような仕組みを作らなければいけません。僕らの持っている知恵と感情と時間を、いたずらに後悔だけに消費するわけにはいかない。

悲しくて辛くて苦しくて言葉もないけど、そんなことを感じたのでした。