効率化・自動化の先に
- 2012年01月16日
Web業界の人って「自動化」とか「効率化」という概念に対して、わりとポジティブに取り組む人が多いんじゃないかと思います。ショートカットとかハックとか、そういう情報もせっせと集めるイメージ。もちろんそれは悪いことでは全然なくて、積極的にやっていけばいいのですが、自動化や効率化が目的になってない?と思うことがあります。自分の行動を振り返ったり、誰かがやっているのを見たりしたときに。
誤解を恐れずに言えば、Web制作の工程のほとんどは、どんなサイトを作る場合も似たようなものです。全体工程だけでなく個別の工程、例えばヒアリングにしても、要件定義にしても、ワイヤーフレームやページレイアウト、あるいはシステムの設計にしても、わりと作業の範囲や可能性は限定されているように思います。だから効率化の対象にしやすい。おまけに、ライブラリやフレームワークやCMSなんかを使って自動化するのにも向いています。
仕事の効率化・自動化を進めるためには、効率化・自動化のノウハウを学び、試行錯誤を繰り返す必要があります。そこは、それなりに時間を割かないといけない。でも、そこにちょっと熱を上げてやってると、ふと思うんですよね。「あぁ、これが行き着く先は、もう人間じゃなくてロボットのやる仕事だなぁ」と。ロボットがというのは非現実的に感じるというなら、自分じゃなくてもできる、自分よりスキルも給料も安い人でもできる仕事だと考えればいいでしょう。ともすれば、自分で自分の首を絞める作業になっている、ということです。
ひとつの作業を効率化・自動化することで代わりに得られた時間を使って、誰かや何かに取って代わられない価値ある仕事に取り組む。あるいは、効率化・自動化することで失わせた価値を頭に入れ、代わりに新しい価値ある仕事を生み出す。効率化・自動化それ自体は素晴らしいアイディアだけど、その代わりに来るものがないと幸せにはなれない。そこは忘れちゃいけないなぁと思うのでした。