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完全素人がひとりでWebサイトを作れるまでに必要な本や記事集めました  〜①デザイン編〜

まぁ、そもそも「完全素人がひとりでWebサイトを作れる」という言葉の定義に幅がありますよね。Webデザイナーを目指すような人を指すのか、それともできるだけ楽して低コストで趣味的に作るもののレベルを上げたい人を指すのか、というだけでも、アドバイスの内容は変わってくるんではないかと。

あと内容にしてもツッコミどころがあって、例えば個人制作の規模のワークフローを学ぶのに「プロセス オブ ウェブデザイン」はかなり不向きな本。僕も発売直後に期待して買ったひとりですが、中身は代理店絡みの大規模案件をイメージさせるものがほとんどで、実用性はあんまりない。それだったら、生田昌弘さんの本とかのほうがいいんじゃないかな、とか思います。

もっと言うなら、というか、ここからが本題なんですけど、僕はテンプレートが充実してるCMS系のサービス、例えば Jimdo なんかを使ってサイトを形にしていくことを最初にガッチリやったらいいんじゃないか、と思っています。それなりの自由度でページにコンテンツを配置していけますし、機能的にも一通りのものは揃っています。サイトを企画し、構成を考え、形にして、運用する。そういう一連の流れを学ぶためのツールとしては十分じゃないですかね。

いやいやまずはワイヤーフレームを学ぶべきとか、Web標準を押さえたHTML&CSSをマスターせよとか、グラフィックの基礎を疎かにしてはいけませんとか、そう言いたくなる気持ちも分かります。専門学校でも多分そういうのを先に学ぶんだと思いますよ。でもね、そういう細かい分野ごとのスキルだけプロっぽい学びをしたところで、サイト制作全体をつかむ力が備わってないと実用性がないと思うんです。

こういう「何から始めたらいいんだろう」って思う人って、プロと呼ばれる人に比べると、圧倒的にサイトをブラウジングしてる経験が少ない気がします。あるいは、ブラウジングはしてるけど、自分のスキルにつながるように見ていない。見る目がまだ備わってないとか、見ているところが極端に偏ってるとかいった理由で。それではWebはおろか制作全体も俯瞰することができなくて、分野ごとの価値や、目的に必要な手段が見えてこないんじゃないでしょうか。

Jimdoでできることには確かに限りがあります。でも、その制限の中でやれることを最大限やってみる。そうすることで、もっと機能がほしいとか、自由に構成をしたいとか、手間のかかる部分を効率化したいとか、そういう気持ちが出てくる。同時に、自分がスキルを磨きたい方面が見えてきたりするでしょう。プログラムを自作したいとか、もっと印象的なグラフィックを作りたいとか、美しく機能的なコードを書きたいとか、コンテンツの企画の力をつけたいとかね。そこで、全体を見ながらも専門を掘り下げていったらいい。

制作会社でJavaScriptばっかり書いています、という人だって、本当にJavaScript以外さっぱり知らないし興味がない、なんて人はいないですよね。いや、いるかもしれないですけど、それだと今後自分がどう舵を取っていくか考えられないので、この先厳しいと思うのです。自分の書いたコードがサイトのどこにどう使われるのか、それはプロジェクト全体に対してどう機能しているのか、その価値は業界としてどの程度なのか、そんな全体的なことを知ることもまた、専門を究める上で不可欠じゃないでしょうか。

本を積み上げたまま居眠りしたり、テキストエディタで悶々とする前に、便利なWebサービスを使い倒して、とにかく世界にふれるのがいいんじゃないかな。細かいお作法や現実的な制約は、そのあとで学んでこそ身にしみてわかるもの。まずは楽しいこともセットで学ばないとね。