別にオープンじゃなくてもいいじゃない
- 2010年04月26日
アップルが「iPad(iPhoneも)ではFlashは使わせないぜ」な方針を表明したことで何やら騒がしくなってますね。アップルはオープンじゃない、独裁じゃないか、とかなんとか。でも、逆に「なんでアップルがオープンじゃないといけないの?」と僕は思ってしまいます。昔も今もアップルは別にオープンな企業とかじゃないですしね。
以下、同じようなことを友人が日記に書いてたんでアレなんですけど、僕もメモ代わりに書いときます。
iPad発表直後の記事にも書いたように、iPadが1つの大きなターゲットとして考えてるのは、WiiやDSと同じ、PCに苦手意識を抱いている人たちや教育現場だと僕は思っています。iPadの役割、アップルの仕事は、そういう人たちに魅力的な体験をしてもらうことです。体験の質を決めるのは、ハードはもちろんアプリの出来というのも大きい。でもアプリはアップル以外の人たちも作り出すものですから、つまらないアプリが溢れてiPad自体の魅力を大きく損なわせるようなことは死活問題です。だから、アップルはアップルの基準、アップルが考える「ユーザーに実感してもらいたい魅力的な体験」を実現するためのハードルを、アプリとアプリ開発者に課すんでしょう。これはサービスの品質維持のための施策にすぎないと思うのです。仕方がないというより、僕は積極的に必要とすら思います。
学生にMacを教えていてよく言われるのが、ソフトウェアアップデートはきちんとやってね!という指示に対して、なんでそんなバグだらけの製品を堂々と売ってるの?というコメント。確かに、ハイテク家電なんかも出てきてはいるものの、やっぱりコンピューターとの付きあい方として求められるものは特殊だと思います。いつか「ま、何でもそんなもんだよ」って認識が普通になる時代が来るのかもしれませんが、今年来年の話では到底ないわけで、アップルはそんなみんなにiPadを売らなきゃいけない。質の担保に必要なことは押さえていかないといけないわけです。
そんな施策について「オープンじゃないよ!独裁だよ!」と言うなら、iPadがイヤならAndroidを使えばいいじゃない、ってことだと思うんですよね。iPadはアップルの1製品であって、公共インフラとか唯一の情報端末とかでもない。その施策がユーザーにとって大きな不利益を生むなら、自然とiPadは市場から姿を消していくでしょう。自由でオープンなAndoroidだけが生き残るかもしれない。ま、僕はそうならないと思いますけどね。
開発側には、オープンな仕様で開発がしやすい方がいいでしょう。でもそれは開発者の願望であって、利用者の願望と必ず一致するとは限らないです。利用者にとっては、楽しく使いやすいアプリが純正だろうとサードパーティー製だろうと関係ないですから。サービスを売るアップルと、開発環境が売れれば良いアドビをいっしょに考えるのは、ちょっと無理がある気がします。
まぁ、別にアップルだって永遠にFlash禁止とかアドビと全面戦争とかそういうわけじゃないと思うので、とりあえずお手並み拝見とかそんな感じで眺めてればいいのでは。