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人から学ぶ ー 第24回リクリセミナー「一人の経営。会社の経営。」に参加して

昨日は、第24回リクリセミナー「一人の経営。会社の経営。」に参加してきました。会場で会う人会う人から「久しぶりですね」的な言葉をもらったのですが、いま数えてみたらWeb系のイベント参加は実に半年ぶりでした(ちなみに前回もリクリのセミナーでした)。ほんまやマジで久しぶりやんけ。

イベント構成としては、まず梛野さんが一般的な会計の基礎知識を、こもりさんがフリーランスとしての経営の話を、野田さんが会社の経営の話をされる、というものでした。細かい内容については、いつものように当ブログでは書きません。他の誰かが書いてくれたりすることも、今回は期待薄かもしれません。こもりさんと野田さんの話は、各々の生き方や考え方が反映されたストーリーだったので、一般論的にまとめるにはちょっと適さない感じがするからです。

今回参加して改めて思ったのは「その人の生き方が表れている話はやっぱり面白い」ということです。イベントテーマである「経営」は、まさにそれが出てきやすいもの。一般論的なフォーマットではなく、それを語る人に合ったプレゼンの仕方になっていたことが良かったと思いました。

僕はWeb業界で仕事をするようになって10年ですが、最初からフリーランスという立場で、さらに仕事とプライベートのオンオフを意識しないタイプということもあり、10年まるごとが経営というか、自然と10年の時間の使い方すべてが仕事につながっているような感覚があります。そんな自分にとっては、仕事のやり方ひとつとっても、自分のいろんなことが絡んで決まってきたことであって、汎用的で分かりやすいセオリーとしては語れないものが多いんですよね。だから他の人の仕事の話を聞くときも、その人の仕事の仕方の背後にあるものを同時に知らないと、うまく理解できないし、自分に生かせるところも見つけにくいと思っています。

その一方で、世の中とかくTips的なもの、理解しやすくすぐに使えるようなものを、セミナーイベントでも求める側面が強すぎるような気がします。確かに、理解できないものはモヤモヤするし、割いた時間の対価が十分得られなかったような気分になるものです。僕も自分が登壇するときは、参加者が持ち帰ってすぐに実行できるような「おみやげ」を意識して用意はします。でも、そういう「即効性・汎用性の高いもの」って、時間と場所を指定したライブでなくたって、今の時代はブログや本で誰かが書いてくれてるんですよ。探す努力さえしていれば、見つけるのはそんなに難しくない。Web業界のアレコレについても、僕が仕事を始めた10年前と比べても、いまは格段にリソースの質も量も増えています。

それに、そういう教科書的な情報が身近に溢れている現状で、Web制作者としてそこそこ経験を積んでも、やっぱり基本的な制作プロセスでうまくいかない話は変わらず聞こえてくるわけです。クライアントや同僚とのコミュニケーションの問題とか、広義のデザイン、あるいはマネージメントの問題とか。となると、汎用Tipsをパクパク食べているだけではダメで、もう一歩踏み込むというか、手間をかけないといけないんじゃないでしょうか。

今回のイベントの懇親会、自分の席の周囲にいた人たちを振り返っても、東京、名古屋、岡山、香川、広島からの参加者がいました(地元の関西圏はもちろんですが)。このためにわざわざ足を運んでいるのですから、すごいことですよね。そうした人たちと意見交換をしていくなかで、各人がそれぞれの現場で、それぞれ特色のある経験をしていて、それぞれに日々意識していることがあることがわかります。そんな生きた話を共有することも「一歩踏み込む手間」のひとつだろうと思います。何も登壇者の話だけが価値あるものではありません。そして、そうしたことは、イベントという「場を共有する時間」でないと、なかなか実行できないことです。

Web業界は勉強会系のイベントも多いし、仕事の延長として情報収集に慣れた人たちも多いのだから、人というリソースからうまく学ぶことがもっと普通になってくると、もっと全体として良くなっていくんじゃないかと思います。・・と、いつもの主張になってしまったところでおしまい。