LTのフォローアップなど(WACN 2011 Winter)
- 2011年12月11日
先日の予告通り、WCANに参加&ライトニングトークをしてきました。お聞きいただいたみなさん、どうもありがとうございました。以下にスライドを公開しておきます。今回はしゃべることをほぼすべてスライドに書いているので、参加されなかった方も、どんな話をしたのかわかっていただけると思います。
じぶんブランディング、つまり「セルフブランディング」のことですが、僕はこれは本当に大切なことだと思っています。フリーランスの方は、自分で営業されることになるので特にそうだと思いますが、いま制作会社の社員として働いている方も、けっこう真剣に考えて損はないんじゃないかと思います。
Webサイトを作るというスキルは、少なくともそれを評価する側にとっては、とてもファジーな側面があると僕は思っています。CSSが書けますとか、ディレクションできますとか、そう言われても実際どの程度できるのか、言っている側と聞いている側にどのくらいギャップがあるのか、確かめるのは難しいですよね。制作物を見れば技術的なところはある程度わかりますが、Web業界って「このサイトを誰が作ったか」をオープンにできないことが多々あります。代理店が間に入っていて制作実績として表明できない、みたいな。これはクライアントが発注先を判断する時に大きな問題となりますし、制作者としても、会社を移る時などに、就職先に自分のスキルを証明するのが難しい、という面があると思います。
だからこそ、案件の受注も人材獲得も、知り合いを通じてというのが強力な手段になっているんじゃないでしょうか。受発注の関係も、制作側の同僚の関係も、単なる技術力だけでなく、コミュニケーションのスタイルや人物評価が重要な要素です。ロボットと仕事をするわけではないですからね。信頼できる人からの推薦というのは、ファジーな部分を埋めるもの、期待を寄せるに足る情報を持っているのだと思います。
いまは満足できる仕事が十分にあって困らないという人も、この先どんな変化がやってくるかわかりません。信頼できる・信頼してもらえる制作者仲間やクライアントが、窮地を救ってくれたり、あるいは更なるステップアップを手助けしてくれることもあるでしょう。そして、そういう人は一朝一夕に得られるものではありません。そのための「じぶんブランディング」だと僕は考えています。
ライトニングトークは5分しか時間がないので、今回は名刺交換というポイントしかお話しませんでしたが、他にも「ブログを書く」というのもかなり重要だと考えています。名刺交換をして話が弾んで、後日もっと相手のことを知りたいと思ったとき、相手がブログを書いていないとそれ以上の情報を得るのは難しいです。FacebookやTwitterには断片的な情報しかアウトプットしない、という人が多いからです(そういうメディアだとも言えるのですが)。僕がプレゼンの最後に「続きはWebで!」と言ったのは、ジョークでもなんでもなく、かなり真剣なメッセージです。これについては、ちょうど1年前にライトニングトークをした以下の資料を見ていただくと、わかりやすいかと思います。
さらに言うならば、ライトニングトークをはじめとしたプレゼンに積極的に挑戦する、というのも「じぶんブランディング」には重要だと考えています。今回のWCANは200人以上の参加者がいましたが、こういうイベントの場合、懇親会ですべての人に挨拶する(自分の存在を知ってもらう)ことは現実的ではありません。でも、セッションを担当すれば、それが可能なわけです。そう考えるとプレゼンしないと損ですよね。僕は「自分がプレゼンしないで聞くだけのイベントは出ない」ぐらいの気持ちを持ったっていい、と思ってるくらいです。そりゃあもちろん、常にプレゼンに適したネタを持っておくのは難しいです。でも、機会をうかがって準備しておくだけでも随分違います。プレゼンはやらないとうまくならないですし。やらない言い訳は自然とうまくなりますけど。
ということで、もし時間があったら話したいと思っていたこと、を以上つらつらと書きました。僕に言われるまでもなく、自分なりの「じぶんブランディング」をしている人も少なくないと思うので、懇親会などでその話が聞けたらなぁと思っていたのですが、なかなかそういう展開にならず、そこはちょっぴり残念。ただ、セッション終了後にTwitterのフォロワーがどっと増えたので(笑)、そっちの方で今後も意見交換ができたらいいなぁと思っています。ぜひみなさんの話もお聞かせください。
WCAN参加のみなさん、そして主催をはじめとした関係者のみなさん、どうもありがとうございました。
あとでもう少し関連記事を書こうと思います。書いたらツイートして、この記事からもリンクしますので、よかったら読んでください(と自分にプレッシャーをかけておく)。
追記(2011.12.22):書く書く詐欺になりつつありましたが、関連記事として「再考:名刺交換」を書きました。よろしければ併せてごらんください。