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変わりゆく、おもちゃ屋

忘年会前にちょっと時間ができたので、ヨドバシのおもちゃ売り場をのぞいてみたのですが、いやぁ、ちょっと見ない間にいろいろと様子は変わってるもんですね。

商品棚でいちばん面白かったのがプラモのコーナー。ミニ四駆やガンダム(当時はBB戦士と呼ばれる小さな玉を打ち出すギミックのついたSDガンダムが好きでした)を懐かしみつつ見ていたんですが、いまや痛車のプラモもあるんですね。車に貼り付けるアニメのデカールが同梱されてるみたいです。でももっと驚いたのが、うまい棒の図柄がプリントされた市バスのプラモ。ラッピングバスって言うんですね。実際に見るのは珍しくもなんともなくなりましたが、プラモでもシリーズ化されてるとは。マニアとしてはコンプリートしたいものなんでしょうかね。

意外だったのは、ゲーム売り場のスペースが縮小されていると感じたこと。いや、面積的には変わらないのかな。思ったより活気がなくてそう感じたのかもしれません。コーナーは大きく2つに分かれていて、片方は商品陳列棚とレジ、もう片方はゲームのデモと攻略本の棚とWiFi提供ゾーン。DSやWiiのヒットで老若男女が購入するおもちゃとなったゲームなのに、売り場の空気が盛り上がってない。

なんでだろうなーと思いながら歩いていて思ったのが、ゲーム売り場にワクワクする要素がないからではないか、ということ。他のおもちゃと違って、ゲームの現物はディスクの入った箱という画一的なもの。もちろんパッケージはありますけど、中身の面白さはよくわかりません。いくら棚を眺めていても気持ちが盛り上がるはずないなぁと。今やこれだけネット上にゲームの動画があふれている時代、ゲームの購入を左右する情報はネットから手に入れる人が大半でしょう。そのままAmazonとかで買っちゃえるのだから、発売日に並ぶこと以外、わざわざおもちゃ屋に行ってすることはあまりないですよね。売り場が盛り上がらなくてもゲームは売れる。そういう商品なんだなぁと改めて思いました。

僕が小学生の高学年の頃、近所のおもちゃ屋が店を畳みました。店主夫婦は子どもとおもちゃが好きで、特にプラモやラジコンの品揃えが良く、壊れたおもちゃの修理もやっていました。僕も好きな店でよく通っていましたが、次第にゲームウォッチ、ファミコン、ディスクシステム、スーパーファミコンといった流れでゲームが棚を埋めはじめ、ガシャポン、カードダス、アーケードゲームの筐体が店のスペースを占めるようになってきて、店の雰囲気はだんだん変わっていきました。店主も商品の様変わりに馴染めなかったのかもしれません。旧来のおもちゃ屋のスタイルが消えつつある。当時の僕もそう感じているさなかの閉店でした。

こうしてヨドバシのおもちゃ売り場を眺めてみると、やはり店を畳む判断は間違っていなかったのかもしれません。その後ゲームブームはますます過熱し、もう今はそのゲーム専門店ですらAmazonのような大手ECサイトの前に風前の灯です。トイザらスのような大型店ぐらいしか、おもちゃ屋は存在できないんじゃないかという気すらします。時代は巻き戻されることなどないですが、少し寂しいなぁとも思うのでした。