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a-blog cmsってこんなCMS(という現時点での理解)

a-blog cmsのセミナーに行ってきました。Web系のセミナーとかイベントに出るのは半年ぶりで、鷹野さんとかCSS Niteな方たち(どんな括りだよ)と再会できてよかったです。めっちゃ久しぶりですねーとか言われました。すみません。決して山にこもってたわけじゃないですけどね。イベントの日程と仕事の都合が噛み合わないことが続いていたもので・・・。

さて、肝心のa-blog cmsですが、事前にほとんど知識がない状態で製品紹介を聞きました。思っていた以上に良さそうなCMSで、これは本腰入れて関わる気持ちになるかもしれないな、と思わせるものでした。まだ自分でインストールすらしたことがないので、評価するには早すぎるかもしれませんが、そして僕の理解が間違ってる部分もあるかもしれませんが、とりあえず今日聞いたことを僕なりの理解で再構成して書いていきます。

先日東京で行われたCSS Nite LP, Disk 6「CMSリベンジ編」では、a-blog cmsは参加者投票で1位になったそうです。今回のセミナーの冊子にも「MT/WPの代替として使ってみたいCMS No.1に選ばれた」というアピールが。なので、僕は「MT/WPと違う点は何か」という視点を持ってセミナーを聞こうとしていました。が、セミナーを聞いていて思ったのが、MTやWPと比較するアプローチだけでは、a-blog cmsを理解するのに十分じゃないのでは?ということでした。

僕の理解では「a-blog cmsはJimdoNucleusのいいところを併せたようなシステム」という感じです。JimdoもNucleusも知らないから!というツッコミが聞こえてきそうですので、以下少し解説します。

a-blog cmsは、ページの構成要素を小さなパーツに分けて、そのパーツを編集したり新規追加したり並び替えたりしてページを組み上げるようになっています。この小さなパーツというのは、例えば画像とかテキストとか見出しとかです。これは、1つのテキストエリアに画像もテキストもレイアウトして詰め込んでしまうWISYWIGのアプローチは取らない、ということでもあります。

Jimdoは、サイトの画面をそのまま編集できるコンテンツ編集システムを持っています。ログイン状態だと、コンテンツを追加したり編集したりできるインターフェースが表示されるタイプです。これはa-blog cmsも同じで、他にConcrete5やBiNDなどもそうです。

a-blog cmsがJimdoと違う点は、ページの構成要素であるパーツを、Web制作側が自在にコントロールできる点です。このページにはどんなパーツを挿入することができるのか、埋め込むパーツはどんな入力項目を持つのか、その入力項目はどんなソースを出力するのかなどを、Web制作側が作り込んで(いらないものは削って)クライアントに操作の選択肢として提供することができます。このパーツの作り込みは、システムの設定画面で設定したり、パーツ自体がHTMLでできているのでプログラマーでなくても手を入れられるというのもa-blog cmsのミソです。

このパーツ単位の入力フォームが更新作業の仕掛けなので、a-blog cmsは、いわゆるMTやWPのような「コンテンツの編集のための管理画面」というのを必要としません(パンフレットでは「更新画面」という言葉を使っていますが、そのことにすぐに気付きにくいので、ここはアピールの仕方に工夫が必要かなと思いました)。その点では、MT/WPとの比較というのは、アプローチが違うので何ともという感じです。

ちなみに、このパーツはいわゆるエントリーの構成要素だけでなく、ページ(サイト)の構成要素も含むようです。例えば、カテゴリーごとのトップバナーなんかも編集単位にできるみたいです。これは地味にすごい機能だなぁと思いました。

では、a-blog cmsとMT/WPは比較できないのかというとそんなことはなく、Jimdoなどのコンテンツ更新システムが苦手とする「ページ単位の管理も容易にする仕組み」をa-blog cmsは持っていて、それはMT/WPのようなブログのエントリー管理システムとよく似ています。例えばJimdoは、グローバルナビゲーションがページの管理システムを兼ねているので、ページが多くなりすぎると管理が煩雑になりがちです。そこはブログのシステムが勝っている点で、ほんとに両者の良いところを合わせ持っている、大げさに言えば理想的なシステムという感じがしました。

では、先にMTではなくNucleusをブログ系システムの代表として挙げたかというと、Nucleusのスキンとテンプレートという仕組みが、a-blog cmsのテンプレートとモジュールという関係に近そうだからです。Nucleusを知らない人はピンと来ないかもしれませんが、ページ全体のHTMLを書く仕組み(Nucleusのスキン=a-blog cmsのテンプレート)と、そこに埋め込む更新の仕組み(Nucleusのテンプレート=a-blog cmsのモジュール)という、2段構えを取っているところがポイントです。MTもWPも内部的にはそうなのですが、管理画面から明確に2段構えになっていて両方をカスタマイズするようになっている点で、僕はMTよりNucleusを思い出しました。Nucleusはブロックを組み合わせる合体ロボ、なんて言い方もされますしね。仕組みをノンプログラムで実現するというアプローチが、Nucleusとa-blog cmsは似ていると思います。Nucleusもa-blog cmsも、このモジュールに様々な表示条件を設定できるところは同じで、ここがCMSとしての自由度の肝かなぁと思いました。まだ自分で確認してませんけど、期待は抱かせる感じです。

ということで、a-blog cmsの方向性としては「JimdoとNucleusのいいところを併せたようなシステム」という印象でした。機能的には、エントリの並び替えが自由にできること、タグの複数絞り込みができること、複数の条件を指定した検索インターフェースが自分で作れるところが、僕としては「欲しい!」と思わせる部分でしたね。

まだ自分で使っていないので、不正確な説明があるかもしれません。そのへん詳しい方はぜひご指摘・ご教授ください(他力)。でも、そんな状態でもとりあえず聞いたことを書いておきたいと思わせる魅力が、a-blog cmsにはあるなぁと思っています。関係者のみなさま、良い機会をありがとうございました。

あと、CMSとかプレゼンテーションとかそういう大きい話もいろいろ考えさせられたのですが、さすがに今日は2次会まで出て疲れたので、そのへんは後日また書きます。