Webをもっとカンタンに
- 2012年09月08日
なんかこう、普通のWebサイトを作るのに必要な技術って、もっと簡単にならないかなぁと思っています。ブロックを組み合わせるようにしていけば(一定水準の)シンプルで安全で使いやすいサイトが出来上がるような、そんな時代が早く来てほしいなぁと。
僕にとってのWeb制作の歴史は、HTMLを大学の授業で教えてもらった1998年がスタート。そこから15年近く経ちますが、自分にとって技術的なインパクトが大きかったと感じることが大きく3つあります。それは、Dreamweaver・CMS・jQueryです。複雑なページレイアウトも自動でコードを書いてくれるDreamweaver、プログラムの知識がなくても動的で更新しやすいサイトが構築できるCMS、ブラウザの差異を気にせずCSSの知識の延長でJavaScriptが書けてしまうjQuery。これらのおかげで、自分ひとりで形にできることの幅が圧倒的に広くなったと感じています。
と書くと「いやいや、そのようなツールに頼るばかりでなく基礎から勉強してスキルを身につけるべきでしょ」というツッコミがくるかもしれません。僕だってそういう意識はありますが、そうしたツールが実現するレベルまで自分のスキルを高める道のりはかなり長い、と感じるのも事実です。おまけにWebは(例えば紙などの媒体に比べて)どんどん変化していくものなので、新しいブラウザやデバイスや仕様が出てくるたび、技術や知識のアップデートが求められます。Web制作に必要とされる知識や技術は(サイトに求められる社会的役割が増したこともあって)どんどん高度化しているので、なおさら技術面の対応は難しいと言えます。
実際、規模が小さくお金をかけれられない案件を中心に、知識も技術も十分でない制作者が品質に問題のあるサイトを作り、クライアントやユーザーに残念な思いをさせているという現状があります。そういうケースがWebに対する世の印象を決めたりもするので、最低限の質を底上げするのも業界のミッションのひとつではないでしょうか。使い勝手がよく質の高いCMSやライブラリを業界全体で生み出していくことは、その手段のひとつして大事だと考えます。Webサイト制作を楽にする技術が必要なのは、クライアントだけでなく制作者も同じなんじゃないでしょうか。
もちろん、0.1秒のレスポンスの違いがビジネス上無視できないようなサイトや、コストを度外視してでも高い表現力を追い求めるべきサイトであれば、汎用ツールやライブラリを安易に使うことは適さないでしょう。そういうニーズがある限り、スペシャルなスキルを持つ制作者は高い価値を持つはずです。技術の先端を追うことは意味がない、と言いたいわけではありません。
要はどこに重きを置くか、だと思うんですよね。例えば、Jimdoで作れば全てのサイトが同じ価値になるかというと、そうではない。コンテンツの設計とか、プロジェクトの進め方とか、サイトに関わる人のコミュニケーションまで含めたものが、Web制作者のデザインの範疇ではないかと思います。制作者としてどこに注力するのか、それは案件ごともそうですし、制作者としての業界的な立ち位置としても言えることでしょう。技術以外の部分も大事だからこそ、技術の価値は技術だけを見ていても捉えられない。その逆もしかりです。