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長谷川恭久さんを追っかけて高松と岡山に行ってきた

今年のゴールデンウィークは丸々電子書籍の執筆で潰れてしまったので、1週遅れで楽しむつもりで、週末に長谷川恭久さんのセミナーに参加してきました。今回はその簡単なレポートを。

今回のセミナーは三部構成になっていて、これは岡山の黒ベンツ先生こと大月さんの主催するセミナーイベント「amplifizr(アンプリファイザー)」の企画としてスタートしました。第1部は昨年の11月23日、第2部は5月11日、そして第3部が6月8日という日程です。

僕は過去に何度も長谷川さんの他のセミナーを受講しているファンですし、amplifizrも記念すべき第1回に参加するなどして企画の確かさはわかっていたので、この三部作も少しでも参加したい気持ちはありました。でも、初回は講師の仕事があり参加を断念。さらに第1部は地元大阪でも再演の機会があったのに、これも都合がつかず不参加。ぐぬぬ・・・。

それが「岡山での第2部、その前日に高松で第1部の再演がある」ということを知り、これは今までの不運を取り返すチャンス、乗るしかないこのビッグウェーブに!ということで、高松の「Webridge Meeting SP13 マルチデバイス化を見据えたコンテンツ設計 基礎講座」に参加、翌日は岡山の「amplifizr, Vol. 6 マルチデバイス化のためのコンテンツ戦略」に連続参加してきました。

さて、前置きが長くなりましたが本題の感想を。

今回の三部作のセミナーでは、コンテンツに焦点が当てられています。よく「Contents is King(コンテンツは王様である)」と言われるように、コンテンツの重要性は誰もが認めるところだと思います。でも「コンテンツはクライアントが用意するもの、Web制作者はそれを受け取ってレイアウトする役割」という感じでサイトを作ってしまうと、利用者の望む形でコンテンツを届けることは難しいのが現状です。

その要因として大きいのは、クライアントが「見せたい!売りたい!」と思って押し付ける情報と、利用者がほしいと思っている情報とにギャップがある、ということ。このような構図は今に始まったことではないですが、最近急速に進んでいる閲覧環境の多様化(PCだけでなくタブレットやスマートフォン)によって、そのギャップが引き起こす問題がさらに深刻になっています。

第1部の「マルチデバイス化を見据えたコンテンツ設計 基礎講座」では、そのような現状を端的に示す事例がいくつか紹介されました。それを見て感じたのは、極端にダメな一部のサイトがそうなるのではなく、むしろ情報発信を積極的にしていこうという気持ちのあるクライアントこそ高確率で陥りそうな、多くの制作者がハマりそうな問題であるということでした。

続いて、この問題にどう取り組んでいくか、その手法例の解説がなされました。既存のコンテンツをもう一度見つめ直し、構造を理解し、整理や管理更新に必要な要素を洗い出し、出力するデバイスを考えながら、コンテンツを入力するCMSの設計を考える。既存のサイトをお題に、グループで手を動かしながら理解を深めるという流れも良かったです。他の人の視点やアイディアを聴けるというのは、こういったセミナーで時間と場所を共有することの大きなメリットですね。

第2部の「マルチデバイス化のためのコンテンツ戦略」では、第1部のおさらいの後、アクセス解析の結果や利用者のペルソナを考えることで、優先的に手を入れるべきコンテンツ、再構成したり付け加えたりするべきコンテンツを考えました。ワークではビジネスモデルのアイディアまで話が自然に広がって、コンテンツをしっかりと見つめ直す過程で、視界がクリアになって他のことも含めた全体のデザインがしやすくなるのだな、ということを実感しました。

コンテンツを考え直すというのは地味で大変な作業です。利用者のことを考えようといっても、クライアントのビジネスを無視するわけにはいきませんし、現実に運用できないようなコンテンツ管理のプランは意味がありません。そのあたりのバランスをどう取るかが難しいのですが、クライアント任せにしてうまくいくはずはありません。これからの制作者は、見た目やコードを作るだけでなく、クライアントとがっちり手を組んで(でも第三者的な視点も忘れず)コンテンツのデザインから手がけるのがひとつの理想だな、と改めて感じさせる充実した時間でした。

文章力がなくてこれ以上うまく書けませんが、長谷川さんのセミナーに限らず、セミナーで指摘されることはたいてい至極普通のことというか、聞けば「そりゃそうだよね」と思うようなことだったりします。でも、制作者の自分は普段それを当然のごとくやれているのかというと、やれていないことは多いし、やれていないことを十分に認識していなかったりする。だから、まずはそのことを認識する機会を得ること。そのためにも、一度セミナーに参加してみることは無駄ではないだろうと思います。ほとんどの制作者にとって。

第3部「コンテンツを活かすためのUI設計」は6月7日に岡山で開催されます。締めくくりとなるこのセミナーでは、具体的なインターフェースのパターンを扱う話になると聞いています。おそらく第2部と同じように序盤はおさらいの時間もあるでしょうから、初めての参加でもまったく意味不明ということにはならないでしょう。第1部、第2部の参加者もいると思いますし、そうした人たちとグループワークをしたり、意見交換するだけでも大きな刺激になるはずです。興味を持たれた方は、ぜひ参加してみてください。

また、その前日に高松では第2部の再演が予定されています。特に四国地方の方は、今回の僕のように連続して受講するチャンスでしょう。

大阪近辺の人は、こちらも第1部に続き第2部の再演が6月15日に行われるとのこと。本日5月14日は早割価格の最終日なので、この記事を読んだ方は早速確認してみましょう。

ということで、講師の長谷川さんと、両イベントの関係者のみなさん、どうもありがとうございました。学んだことを実践に少しでも生かせるよう、これからもがんばっていきます。