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母とファミレスに

お正月休みに、母と買い物に行って、ファミレスでランチしました。

そんな話、ブログにわざわざ書かなくとも、Twitterの1ツイートで済むだろうと思われるでしょう。でも僕と母にとっては、そこそこ大きな出来事なのです。なんせ母は、今までファミレスに行ったことがない。どんだけ田舎に住んでんだよと思われそうですが、今回入ったファミレスは家から2駅先の駅前ショッピングモールのテナントです。母は基本的に外食嫌いなので、今までずっとスルーしてきた感じ。なんせカフェ的なものも、レストラン的なものも、数十年単位で入った記憶がないような人なのです。

そんな母が、家に帰ればおせちの残りがあり、そしてまだ正午前という時間にもかかわらず、帰り際に目についたサイゼリヤに入ってみたいと言い出しました。サイゼリヤは入り口にメニューが置いてあるのがいいですね。母が食べられそうなものを確認して、若干不安ながら入店。注文のシステムとかドリンクバーとかについてざっと説明し、食事も「安いのにおいしくてびっくり」と言われるくらいには喜んでもらえて、エスプレッソなどという得体のしれないものを試しながらの小一時間。

正月休みということもあってか、店内のほとんどは家族連れ。老夫婦も子どもたちも慣れた雰囲気で伸び伸びしています。きっとよく連れてきてもらってるんだね、と母。なるほどそうかもしれない。メニューを広げての楽しそうな話。小ぶりのピザをお父さんがギシギシ切り分け、そのあいだ子どもはちょっとくらい騒いだって大丈夫。こういう光景は、確かにファミレスじゃないと普段はお目にかかれないかもしれない。

母ほど極端でないにしても、僕もある程度はその性格を継いでいるようです。さすがに外食をしないで通すのは無理ですが、打ち合わせの前後に定食屋ひとつ探して入るのすら気が進まない。居酒屋やマクドやカフェに長居するのも苦手。あれこれ気になって落ち着かないのですよ。みんなどうしてあんなにまったりできるのかな。何年もずっと同じようなことやってたらできるのかな。いつもそう思っています。

自分は他の人と違うのだと頑張る必要もないし、逆に同じなんだと安心する必要もなくて、まぁ見えること感じることに素直でいれば、それでいいのでしょう。でもファミレスで母が話したことは、僕もこういう場所に初めて来たときに感じたことや、今もそう思っていることばかりでした。それはそれで、何となく嬉しいことでもあります。