うまいプレゼンを目指す前に確認すること
- 2012年11月12日
いろいろと話題になっていたので、コメントまとめ的にブログっておきます。
薄々気づいているが認めたくない「あなたのプレゼンがいつまでたってもヘタな理由」 - Six Apart ブログ
シャワー中という機会がベストかは人によると思いますが、「自分の思うように」プレゼンするには、この記事の言うように練習が欠かせません。
緊張して早口になってしまうとか、時間を大きくオーバーしてしまうとか、慌てておかしな説明をしてしまうとか、そういう「練習通りにできない」プレゼンをしてしまう場合は、単純に練習が足りないんじゃないでしょうか。多少の緊張があっても、いつもと目の前の景色が違っても、スラスラと口をついて出てくるぐらいになるまで練習する。スライドの内容も順番も覚えてしまうくらい、当日にマシンのトラブルによってスライドが映せなくても平気なくらい練習する。僕も、学会発表など出張プレゼンをする場合は、前日の夜はホテルの部屋で何度もリハーサルをしています。声をきちんと出す訓練にもなるので、これは欠かせませんね。
でも、僕が人のプレゼンを見てよく感じるのは、何というか「思うようにプレゼンできてない」んじゃなくて「たとえ練習どおりできたとしても、うまく伝わらないプレゼン」なんじゃないの?ということです。あえて厳しく書いちゃいますけど。
具体的には、情報や意図がパッと見て理解しやすい表現か、聴き手の思考に沿った構成か、聴き手の価値観や視点を押さえているか、そもそも聴き手の設定を間違っていないか、といったことです。スライドにいろいろ書くタイプのプレゼンなら、聴き手の気持ちになってスライドを見ていくだけでも、そこがクリアできているかはある程度判断できるはずです。スライドはキーワードだけという場合は、一度実演したものを録音して聴いてみればいいでしょう。なんだかよくわからない部分や、話が飛躍してつながりが悪いところが見つかるはず。
そういう箇所を徹底的に直していくのが、プレゼンの準備であり、伝えるための最重要作業だと思います。どんな価値のある提案も説明できなければ意味がないわけですが、意外に自分の頭の中の整理具合も怪しかったりするもので、この作業でそのことに気づけるはず。これは慣れれば脳内でできることなので、まずは言い訳せずにそこをストイックにやることじゃないですかね。
ついでに言うと、そういう「伝える工夫がなされている内容」であれば、早口になったり声が震えたりといったようにパフォーマンスが今一つでも、たぶん多くの人はそんなに気にしないと思いますよ。内容を知りたくて聴きに来ているわけですし、誠実さが感じられれば目くじら立てられることもないんじゃないのかな。
自分で「プレゼンが上手くない」と感じている人は、パフォーマンスの問題なのか、それ以前の内容の問題なのかを、まずは冷静に考えてみるといいのではないかと思います。