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アイディアは既存の要素の組み合わせ:「アイディアのつくりかた」レビュー

「アイディアのつくりかた」の表紙画像

「アイディアのつくりかた」という本を読みました。crossreviewのレビューでレビュアー全員が10点(満点)をつけているというスゴイ本です(そして僕は9点をつけるという天の邪鬼ぶり)。

この本で語られている、アイディアは既存の要素の組み合わせである、という主張は納得です。だからこそ既存の要素をしっかりと研究することが大切で、その組み合わせにこそ価値があるわけです。思うのは、表現というのもこの考え方が当てはまるんじゃないかなぁということ。

例がどうなんだよ、というツッコミはあると思いますが、槇原敬之「カイト」の歌詞なんかまさにそう。この曲では「追い風が吹かないことを嘆いてはいけないよ」というメッセージが歌われています。これ自体は割とありそうなメッセージなんですが、「凧(カイト)は向かい風を受けて高く揚がっていく」というメタファーを持ってくるんですよね。凧自体も非常に日常的なものですが、うまく組み合わせることで素晴らしい作品に仕上げている。これぞまさにアイディア、作品性だと思うんですよね。

美しい言葉を使って語れば美しく響くのはある意味当然。でも、日常の言葉でも美しさは語れるし、日常にはこんなに美しいものが隠れていることにも気付ける。「アイディアのつくりかた」を学ぶことは、何もデザインや広告業界の人間だけでなく、誰にとっても意味があることだと思います。