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誓いはいつか破られる

ふと、マッキーの歌を思い出す。「青春」という曲。

受験や選挙や結婚も 形にしたあと誓いを捨ててしまう人もたくさんいるからせめて この僕と君が あの日誓い合った気持ち間違いだとしても 終わるまで愛と信じよう

形にしたあとに捨ててしまう誓いは、変わらないことへの約束だったりすることが多い気がします。例えば「国民のために身を粉にして働きます」だとか「君を一生幸せにするよ」だとか。それは未来に継続して遂行されていかなければ、誓いを捨てたことになってしまうものです。

でも、きっとみんな心の中では知っています。どんなものも変わっていくということ、変わらずにいるものなどないということを。だからこそ「変わらないこと」は尊く価値があり、「変わらないこと」を主張しようとするのではないでしょうか。

結局は変わってしまうということを知っているのに、人は、誓いという嘘を提示し、約束という嘘を求めてしまう。誓えないことを恥ずべきことだと言い、約束を交わせないことに絶望してしまう。

たぶん、誓いや約束は、いつかの未来まで持続していく何かではなくて、誓いが交わされる今その瞬間を確かなものだと感じるための瞬発力なのだと思います。今は未来につながっているから、その今を確かにしたい。今を確かだと思える気持ちがあれば、未来を生きられる気がする、というような。

誓いはいつか破られる。約束はいつか嘘になる。その「いつか」をできるだけ先に延ばしていくこと、誓いや約束を守るために生きることは、一見美しく尊いことのように感じるけれど、実は今の連続を生きていくための自己暗示なのかもしれません。