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雑誌遍歴

幼稚園児のころは、講談社の「テレビマガジン」を愛読していた。テレビ自体はあんまり見ない家庭だったけど、本として面白かったし、付録は作りごたえがあった。小学館も「てれびくん」という雑誌を出していたけれど、ちょっと幼い感じで好きじゃなかった。

小学生になると「コロコロコミック」を読むようになった。コロコロは値段のわりに分厚かったので、1ヶ月ずっと読んでいられた。最初から最後まで、どんな特集も連載も、もちろん広告も漏らさず読んだ。読み飛ばすなんてもったいなかった。だんだん広告の掲載位置も覚えるようになり、いつものページに違うメーカーの広告が載っていると感じると、すぐにバックナンバーを確認するようになった。人気連載漫画だった「おぼっちゃまくん」も「ドッジ弾平」も「ダッシュ四駆郎」も初回から最終回まですべてリアルタイムで読んだ。

同時期に「小学*年生」も読んでいた。編集後記が特に好きで、編集長の名前は必ず覚えた。小学館の学年別学習誌は学年ごとにテーマが決まっていて、僕の頃は「小学四年生」はホビー、「小学五年生」はスポーツ、「小学六年生」は時事だった。そのテーマをふまえつつ記事の方向性を決めていくのが編集長の仕事。特に当時の「小学六年生」の編集長の編集の仕方が好きだった。玖保キリコの「いまどきのこども」を表紙に、湾岸戦争やゲームセンターや性教育といった話題を、大人っぽい子どもの視点で取り上げていて、さすがプロだとうならされた。僕が小学校を卒業すると同時に、その編集長が「小学五年生」に移動すると編集後記で知り、中学生になってもたまに「小学五年生」を買って、彼の編集ぶりを確認したものだった。

中学生のころは、読みたい雑誌に恵まれなかった。学研の「中学生コース」は、学習参考書にチャラチャラした記事が少し載っているだけの、まったく面白味を感じない雑誌だった。仕方がないので引き続き「小学六年生」を買っていた。もう中学生なのに。

同時期、小学館から「ゲーム・オン!」というゲーム専門雑誌が創刊され購読する。が、これも3年ほどで休刊。創刊当初は表紙にイラストを使っていたが、次第にアイドルの写真を使うようになり、これは休刊も近いのでは・・という予想が的中してしまった。ちなみに、ゲームは親から禁止されていた(目が悪くなることを心配して)ので、実機にはほとんど触ることなく、ゲームの専門誌や攻略本だけを買っては脳内で楽しむ日々を10年ぐらい続けていた。

高校生になると「広告批評」を読むようになる。アートディレクターなどの職業を知り、電通や博報堂などの華やかな世界を想像しつつ、いろいろ生意気なことを考えるようになる。大学に行くころには、近所の図書館で女性向けの雑誌、例えば「an・an」と「non-no」とを読み比べたりするようになる。特に「装苑」は好きだったが、表紙に女優などを起用するようになってから、編集方針が気に入らなくなり読まなくなる。

大学1年の時にiMacを買い、勉強しようと「Mac Fan Beginners」を購読。休刊後に「Mac Fan」に移行。何となく「イラストレーション」や「デザインの現場」なども読むようになる。「design plex」や「MACLIFE」など、読んでるそばから休刊になる悲しい思いも経験する。ちょうどWebサイト作りに熱を入れ出したころに「Web Designing」が創刊され、以降現在まで購読中。

本当は、大学卒業後はマガジンハウスかマイナビ(当時は毎日コミュニケーションズ)で仕事をしたいと面接まで行ったんだけどな。結局途中で辞退して、日本語教育の世界に進んでしまった。あのとき出版社に入ってたら今は何してるんだろうと考えたけど、やっぱりWebデザインの本とか電子書籍とかを担当してて、今と大して変わらないことをしてるんじゃないかと思ったり。