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新年度はじまる

年度末締切の制作仕事のバタバタが一段落すると、新年度の授業が始まる。気がつけば講師の仕事も10年近く切れずに続いているけど、今年度は初めて大学一年生を担当することになった。授業は毎年、毎週、毎時間いつも緊張するものだけど、新しい環境で学び始める学生も(また違う感じで)ドキドキしてるんだろうなと思うと、自分も今年度はちょっと違う緊張感がある。

大学生はいろんなことに手を出すのがいいんじゃないかな、と何となく思う。今まで自分が避けてきたようなことや、気にも留めてなかったことに、気まぐれに取り組んでみるといい。そうやって、世の中にはずいぶん違う方向の人やモノや考え方があるんだな、と気づけるといいと思う。

僕は20代中盤くらいまでがそうだったんだけど、若いときは極端な方向に走ってしまいがちなところがあると思う。これは神だ!と絶賛するようなことや、これはどうしようもないクソだ!とわざわざ言ってしまうようなことに出会いやすい。いや、出会いやすいというより、そういうのを自分が欲してる時期なんじゃないかと思う。シンプルなものには引力があるし、わかりやすいものは楽だから。

そういう極端な針の振れ方を何度か経験して、物事は単色で塗られてるわけじゃないなんだな、まだら模様な曖昧さがあるんだな、とやがて思うようになる。神だと思ってた人も実はイケてないところがあったり、クソだと思ってたものにも悪くない要素を見つけたりとか。単純に決めつけちゃうのも早計だなぁと思わされることが出てくると、それはそれでまた人生が楽しくなるもの。

その境地に至るのは、大学を出てからかもしれないけど、あちこちふらふらする経験をしておくことが、そのベースには必要だと思うのです。僕の授業は、どんな科目であれ(自分なりの)王道をやろうという意識があるけど、人によってはかなり新鮮に映るみたいなので、まぁひとつのケースとして捉えてくれるとありがたいなぁと思っております。