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Re: プレゼンテーション

とても共感できる内容だったので、ちょっと書く。

プレゼンテーション - hitode909の日記

形は違えど、僕も同じようなことをプレゼンの授業などでも話してきた。はてなブックマークも700超えてて、そうだよね良い記事だよね、と思ってコメント欄を見てたら、あれ・・なんだか悪く解釈してるコメントがけっこう多い。確かにちょっと変化球な書き方だけど、学ぶところが多い内容だよ。ということで、以下、勝手にフォロー記事というかエール記事を書いてみる。

追記にもあるように、この記事での「おもしろい話」という言葉は「興味深い話」という意味で使われている。とにかく話の内容、中身が大切だということが繰り返されている。これは本当にそう思う。

どうやったらおもしろい話できるのかという問題があるけど、わざわざ発表するに足りる内容かどうか考えるとよいと思う。

おもしろい話は、自分にとって話す価値があり、相手にとって聴く価値がある話だ。おもしろい話をするには、相手が何をおもしろいと思うかを考える必要がある。相手の興味関心、前提知識、その場に求められていることを調べ想像し、自分の持っているネタと突き合わせて決める。

こうやって言葉にすると平凡だけど、そこを強く意識してプレゼンの準備をしている人って、実際そう多くはないと思う。記事で「最初にめちゃくちゃおもしろい話をする」とか「全ての章がすばらしいから前に出てしゃべってるはず」とか「死ぬほどおもしろい話をすればよい」とか強調しているのは、それくらい内容を真摯に検討しろということだ、と僕は読み解いた。言い換えれば、余った時間を埋めるだけのような話や、笑いを取ったり格好をつけたりするためだけの装飾要素に時間をかけていないか、ということだと思う。

スライドの箇条書きテンプレートは、僕も使わないようにアドバイスすることが多い。あれがあると、箇条書きに向かない内容も箇条書きのフォーマットで書いてしまう。プレゼンのスタイルや内容にもよるけど、箇条書きでキーワードを並べるのに適した場面は、プレゼン中にはそう連続して出てくるものではない。なんとなくではなく、内容ごとに適した形式を意識してスライドを作ることが大切。

はてブのコメントに「TPOに合わせてスライドを作るべき」といったものがあるけど、それは大前提で、べつにこの記事はそれを否定するものではないと思う。箇条書きがベストな内容なら、もちろん箇条書きを使うのがいい。図が大切な話なら図をきちんと作るべき。この記事では、話をシンプルにするために、書き手や読み手にとって身近なテーマのプレゼンを題材に書いているだけだと思う。アカデミック系のプレゼンだったら「研究室発表のプレゼン資料の作り方【初心者用】」なんかが参考になる(伝える役割の大半は「デザイン」だとするところは、適したデザインを選ぶために内容をしっかり詰める、という前提があってのことだと思うけど)。

あと「発表者が聴衆からフィードバックを得てお互いに高められる発表をしないと、発表するモチベーションを得られない」とか、以下の部分とか個人的に好き。この手の話をWebで言う人が少ない気もするので。

プレゼンテーション資料は話の背景の資料でないといけない。話すのが主で、話を補完したり、根拠を示すのに使われないといけない。スライド流すだけで、あとは当日スライドに合わせて話すだけで済む、というようでは、聴衆も当日は家でゴロゴロして後日SpeakerDeckで見るのと変わらない。後日スライド見たら意味不明というのが理想的。

これも、一般論として「口頭説明が何より大事だ」とかいう主張ではなくて、プレゼンに参加してくれている人のことを何より優先しようよ、という姿勢のことを言っているのだと思う。プレゼン参加者が少しでも有意義に時間を使えるよう、誠意を持って準備しようということかなと。

僕が学会発表をするときは、たとえスライドの枚数が膨大になっても、スライドだけ見ても話がわかるように作ることが多い。それは、Webにアップすることでスライドに「独り歩き」してもらいたいから。でも、発表の参加者にとってわかりにくいスライドにするのは本末転倒なので、当日用とWeb公開用は別に作ったりもする。配布資料はまた別に作る。やっていることは違っても、考え方はこの記事と同じだと思っている。

ということで、まぁ蛇足な感じになったけど、とても共感できる記事でした。執筆者のhitode909さんのプレゼンも、いつかお聴きしたいですね。