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PCカンファレンス2011 参加報告

PCカンファレンス2011@熊本大 に行ってきました。

僕自身は、昨年と同じく、プレゼンをテーマにイブニングトークの主催+分科会での発表という形でやってきました。分科会で使用したスライドをアップしておきますので、ご興味ある方はご覧ください。

イブニングトークは10名ほどご参加いただき、それぞれが自分の名刺について語りながら、名刺のデザインのポイントについて意見を交換しました。このセッションに来られるだけあって(?)どの方も自分なりの見方を持っておられたので、小さな集まりでしたが充実した意見交換の場になったのではないかと思います。ご参加いただいたみなさん、本当にありがとうございました。

分科会での発表は、僕の話を早めに切り上げ、参加者のみなさんにマイクを振るという(恐らく参加者の方には予想外の)内容でしたが、似顔絵付き、特殊加工、素材の工夫、他言語対応、毎年趣向を凝らして作り直す、などなど工夫の光る例を挙げていただきました。なんかもう僕が偉そうにセッションを持つ必要ないよなーと思うほど。参加者のみなさんのおかげで充実したセッションになったのではないかと思います。どうもありがとうございました。

プレゼンについては、最近リニューアルしたブログ「ハッピープレゼン」に今後も記事を書いていきますので、ぜひ時々のぞきに来ていただけると嬉しいです。

あと、勝手に恒例にしている「会場で見つけた大学生の輪の中に無理やり混ぜてもらって話をする」というミッションも、今年も多数の方々のご協力により(笑)無事遂行させていただくことができました。特に広島大、北海道大、北九州市立大のみなさんには、2日目の飲み会以外にもあちこちで話に付き合ってもらって、正直「何なのこの人」って感じだったかと思いますが、大変感謝しています。ありがとうございました。

僕がPCカンファレンスに毎年参加する動機の1つが、この「大学生と話をする機会があること」なんですね。大学生が、教育について、教師について、ネットやIT技術について何を考えているのか、どんな思いを持っているのかは、普段Webサイトの設計をしたりしている自分にはなかなか得られない情報です。しかも大学生は、教師が様々なしがらみとプライドで発言しにくいのに対して、素直でストレートな表現でメッセージをくれるように感じます。これが聞いていて本当に面白いし、正論であることも多いし、共感できる内容だったりします。逆に、彼らの声に共感できるかどうかが、自分が大切な感覚を失っていないかを測る物差しになるとすら考えています。自分はどんどん歳を取っていくけれど、彼らにとって少しでも話しがいのある相手でいたいと思っていますし、彼らの意見を他の人に伝える仕事をしていたいと思っています。

その点、最近のPCカンファレンスには「参加者が積極的に参加できるセッションの形式がない」と感じます。僕のように「自分のしゃべりではなくみんなの話が聞きたい」という動機でセッションをする枠がないんですよね。仕方がないから「発表20分+質疑応答5分」の分科会の枠を「発表15分+質疑応答10分」にして、少しでも会場からの意見を集めようとしたり、あるいは「ざっくばらんにご飯食べながら」が主旨のイブニングトークで、参加者がマジで話せるような仕組み作りを考えたりしてるわけです。

分科会の5分しかない質疑応答タイムで質問するのは、どうしてもカンファレンス常連の教員が中心です。僕は失うものがなく攻めるしかないので黙ってませんけど(笑)、多く参加している大学生は、あの空気に割って入るのはちょっと・・・と言っています。普通の(?)学会ほど堅くないとはいえ、やっぱり大学生(というか普通の人)には配慮が少ないカンファレンスだなぁと感じます。

そこでPCカンファレンスの事務局に提案したいのは、現在25分枠で同時に6つぐらい回している分科会の一部の枠を連結して、ちょっとしたワークショップセッションに使えるようにしてほしい、ということです。例えば2コマ連続分を1つのワークショップコマにして、そこは参加者が主役になってトークをするセッションとして企画を募集する、といった具合です。

現状はイブニングトークがそれに近いですが、こちらは必ずと言っていいほど生協関係のセッションが企画されるので、大学生の大半はそちらを優先するため、その裏で企画しても参加が見込めないんですよね。同じ観点で言うと、シンポジウムでも生協関係者が企画側の場合、ほとんどの大学生はそこに参加して、生協関係の人が大半のセッションになってしまうわけです。僕は何にも縛られないので好きなところに行きますけど、この話はもっと広くいろんな人が聞くべきだなぁと思う内容が、直接的な関係者(例えば生協が運営しているPC講習会のスタッフ)間でしかシェアされないわけです。これはPCカンファレンスの良さを薄めてるんじゃないかと思うのです。

大学生に話を聞くと「普段あまり年上の人や他分野の人とじっくり話すことがないので、得られるものが多い」みたいなことを言ってるんですよね。ならばその経験をもっとしてもらえるように、カンファレンス全体の設計の工夫で支援してあげたいと思うのです。これは何も学生だけに意味があることじゃなく、教員も学生ときちんとコミュニケーションを取ることで、今まで見えなかったもの(あるいは見ないようにしてきたもの?)が見えてきて、大きな刺激を受けるように思います。僕は毎年大学生から学んでますよ。企画のアイディアが必要なら、喜んで協力しますし。

あと、ここまでの流れと関係ない提案を2つだけ。

ひとつは、提出原稿はカンファレンス前に参加者が読めるようにしてほしい、ということです。PDFのアップは大変なのかもしれませんが、今年は事前どころか最後までアップされなくて、分科会のセッションを選ぶ際の参考にできなかったんです。当日はCD-ROMを配ってるし希望者には印刷版も売っている、というのは確かにそうですが、僕のMacBook Airはディスクドラブがないし(笑)本は重くてかさばるしエコじゃない。製本版を売って収益にしたいというのもあると思いますが、もっと電子データとネットを利用して良いのではないでしょうか。そういうリテラシーが高めの参加者が多いカンファレンスですし。

もうひとつは、ポスターセッションと口頭発表の違いを明確にしてほしい、ということです。他の学会でも同じことを思うのですが、ポスター発表なのに、口頭発表用のスライドを印刷したものを縦に並べてるだけのポスターが多くて、それなら口頭発表のほうが適切なんじゃないかと思うわけです。リニアな報告形式は口頭発表、デモンストレーションや聞き手とのやり取りメインの場合はポスター発表、シェアとディスカッションが主ならワークショップというように、主催側がきちんと形式と内容を分けて募集することは難しいんですかね。もう少し発表者が力を発揮しやすい形にしてほしいと感じました。

ということで、後半は提案になりましたが、今年も充実したカンファレンスで、足を運んだ甲斐がありました。関係者のみなさん、どうもおつかれさまでした&ありがとうございました。来年も期待しています。