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PCカンファレンス分科会 あとがき

PCカンファレンス2009の分科会発表をお聞きくださったみなさん、本当にありがとうございました。本当はみなさん一人一人に感想をお聞きして、今後の自分の活動に活かしていきたいと思っているのですが(メール募集中!)、なかなかそれは難しいので、僕の方からあとがき的な補足のコメントを記しておきます。

ブログをCMSとして使ってe-Learningを実現できるんだ、ということを知ってもらいたいというのが、今回の僕の発表のいちばん大きな狙いでした。

僕が出した例「雑多なことを書けば総体としては日記としか言いようがないものになるが、ある内容に絞って使えばそれは立派な専門データベースになる、例えば書評ブログのように」は、聞けばいかにも普通すぎるアイディアかもしれません。しかし、多くは日記として認識されているブログ、そのテンプレートも日記に向いたものが多く提供されている状況下では、ブログをCMSとして、自由な箱として使うという、ある種トリッキーな使い方は浮かびにくいのではないかと思います。

僕が手がけたプロジェクトのなかで最もe-Learning的なサイトである「日本語でケアナビ」も、その原型・試作版はブログを利用して作りました。言葉を検索する、タグで絞り込む、個別の言葉に対してその意味や例文を表示する、といった機能は、ブログをCMSとして使うことでほとんど実現できることがわかるかと思います。実際に公開されているサイトは、表に見えにくい様々な機能を付けるために、汎用のブログシステムではなく専用のシステムを開発して組み込む形になっています。でも、限られた知識と予算でケアナビに近い辞書ツールを作る!ということは現実的に可能なのです。

e-Learningを難しく考えている人、自分とは距離があるなぁと感じている人、勉強してみたいが何から始めればいいかわからない人は、ブログで結構やれるんだ!と発想を転換してもらいたい、というのが僕の願いです。もし、ブログのような汎用的なシステムではできないことに直面したら、その時は大きなプロジェクトとしてe-Learning開発を始める時です。ブログを自分で活用した経験は、プロジェクトを適切な方向へと導いてくれるでしょう。臆することなく、ブログ活用でe-Learning開発の第一歩を踏み出してください。

来年のPCカンファレンスの分科会で、みなさんのe-Learningチャレンジ事例がひとつでも多く発表されることを楽しみにしています。