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信頼と無関心

Web制作って、Web制作の知識だけがあればOKというわけではなくって、クライアントの仕事のことを知らないと、クライアントが喜ぶものは作れない。知らないことは教えてもらうし、勉強する。僕の場合、教育関係者がクライアントであることが多いので、まぁ教育分野は素人じゃないけど、現場個別の話、教師の教育観については特に力を入れて理解しようとするわけです。

で、僕はこれと逆のことを、クライアントにもやってもらいたいと思っています。教師にとってWebはわからないことだらけだと思うけれど、質問してもらいたいし、勉強してもらいたい。技術的な部分というより、文化的なものとか、考え方とか、今の時代のことなどを。

知らないこと、自分の守備範囲外の領域に出会ったとき、大きく2つの姿勢があると思うんです。無関心になるか、好奇心が湧くかの違い。反応としては「へーそういう味方もあるのかー面白いねー」なんですけど、心の中で「そんなの私は知らないわ」と思ってるのか「何それもっと知りたい」と思ってるかの違いといいますか。

知らないことに出会ったとき「知らないことはプロに任せる」と言うと一見オトナに映りますけど、相手をリスペクトして評価を受け入れるってのは、実際(僕自身を含め)そんなに簡単にはできないと思うんですよね。最初出会ったときには、もう知らないことすぎてコメントしようがないけど、最後の方になって、形が見えてきたり、自分の詳しい領域と引っかけられるようになってくると、口を出したくなっちゃう。そうなると「いまさら言われても困る」とか返されて揉める、と。無関心と信頼とには大きな差があるのに、パッと見は区別がつきにくいです。

何も言わずとも良いものが自然とできあがる、というのは条件が揃っていないと難しいでしょう。スタートより前に互いに対する理解が深いとか、すでに作るべきもののイメージが固まってるとか、そういうことがないなら、最初から思ってることを言い合って照準を合わせていく方がいい。

もちろん、言い合えば問題が全て解決する、なんて甘いことはないですけど、いろんなものがスルーされるような立ち上がりは危険だなぁと僕は感じますね。