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完走することに意義がある(ミニ四駆ジャパンカップ大阪大会 参加記)

2012ジャパンカップ大阪大会に参加してきました。え、なんの大会?ミニ四駆ですよ。今年はミニ四駆が発売されて30周年、夏の公式全国大会として有名だったジャパンカップも13年ぶりに復活。ちょうど一年前に仲間内の大会で20年ぶりにミニ四駆で遊んだことは記事にしましたが、あのときのレースは本番直前の試走でマシンを壊してしまって、急遽飾り用のオールドモデルを素に近い形で走らせたこともあり消化不良な面が少しはあったんですよね。なので今回ジャパンカップが復活すると聞き、これは走らせてみたいなぁと。

会場は京セラドーム大阪。開場の20分前には着いたのですが、すでに長蛇の列。僕のエントリー番号は271番で、結局1000人近いエントリーがあったようです。参加者の顔ぶれを見ると、やはり初期のミニ四駆ブーム時代を楽しんだであろう世代が多いと感じました。僕のように1次ブームを経験した人(ダッシュ四駆郎世代)と、その後の2次ブームを経験した人(レッツ&ゴー世代)、そして1次ブームの経験者が子どもといっしょに参戦というケースが想像されました。中学生や高校生があまりいないようだったのも、やはり初期のブームを支えた人たちが楽しんでいるのではないかと思います。

レースは、中学生以下が参加できるジュニアクラスと、年齢制限のないオープンクラスが用意され、ジュニアは2種目エントリーが可能。どちらのクラスも午前・午後と2回の挑戦権があり、会場には自由に試走ができる小さな練習コースも用意され、1日中会場にはモータ音が鳴り響いていました。肝心のコースはというと、品川大会の様子としてアップされている動画を見てください(冒頭30秒で雰囲気はわかると思います)。

動画を見てもらうとわかりますが、最大の難所はナイアガラスロープと呼ばれる巨大なブリッジの下り。大人のまた下くらいの高さなので落差と衝撃がすごく、着地が決まらずコースアウトするマシンが続出。下り直前は長めのテーブルトップで加速がつき、直後はカーブでバランスを崩しやすいのです。一方で上りも大変で、上り直前のコーナーの手前は芝生になっていて、多くのマシンが減速していました。最近のマシンは地上高が低く地を這うように走ります。重心が低いので安定感はあるのですが、芝が底や車体の一部をこすってブレーキになっちゃうんですよね。下りで飛びださないように遅めのマシンにすると、芝生でさらに減速して坂を上りきれないでリタイア、ということになります。

ナイアガラスロープ近影

以前の記事でも言及していますが、1次ブームの20年前と比較して、マシンは基本性能から圧倒的に高速化&安定化しているため、とりあえずパーツをつけただけの初心者マシンでもコースアウトせずに高速に走ります。ジャパンカップでも、序盤の連続カーブでコースアウトするマシンはほとんどなく、フラットなコースの大会では目で追えないくらいの速度で周回を重ねる戦いになるだろうな、と思わされました。ただ、そうなると工作技術の高い人が勝ちやすくなるので、子どもが気軽に楽しめる大会にはなりにくいのだろうと思われます。お父さんが組んだであろう技術ガチガチのマシンを走らせた子どもが優勝、みたいな傾向が顕著になったのがジャパンカップの終了の一因だという話も聞きました。今回の巨大なブリッジは「まるで障害物競走」などと揶揄されてもいますが、そのあたりも考慮してのコース設計なのでしょう。

1次ブームのころとは違い、事前に動画なりブログなりで情報を仕入れられる時代。僕も他の参加者と同様、いかにあの巨大スロープをクリアするかを考えてマシンを用意していきました。フラットな高速コースと違い、ほとんどの人は速度を抑え目にするセッティングで臨んだはずです・・が、実際会場で目にしたのは、鳥人間コンテストかというほど飛んでひっくり返るマシンたち。5台で5周走るレースですが、1周目で2台は着地に失敗、全台とも5周回れずコースアウトするレースが多発。各レース1位が二次予選に進めるのですが、よほど組み合わせが悪くないかぎり「完走すれば1位」という状況でした。完走率は1割ないくらいかも。

完走すれば結果的に大丈夫というレースは二次予選以降も続いて、決勝も2台のみで完走したマシンが優勝。しかも優勝者も最後の最後で横転して横倒しになりながら粘りのゴールという奇跡。勝ち上がった人たちがどのようなセッティングをしていたのかわかりませんが、東京大会の動画と比べると全体的なスピードはさほど速くはなく、それなのにコースアウトしてしまうマシン続出で、純粋な競走の展開になったのはジュニアクラスの決勝と一部の予選という印象でした。傍目に「安定感抜群だなー」と思われるマシンも5周目でコースアウトしたり、無事ゴールしても6周目(ゴール前でマシン回収を待つ状態)でクラッシュしたりと、速度を抑えていても5周クリアは運が必要?と思わせる難しさでした。なので、隣のレーンとのデッドヒートの楽しさを味わう大会というより、相手関係なく完走することに集中する大会になったのは、ちょっと微妙ではありましたね。でも「超改造マシンじゃないと勝てない」という白けたムードにならなかったのは良かったと思います。

ちなみに僕は午前のレースは1周目の下りで頭から落下してコースアウト。速度が遅すぎるのが原因と考え、午後は物販コーナーでモーターとタイヤを買って(TAMIYAの思うつぼ)より高速な仕様に変更。午後のレースは4周目時点で他は全車リタイアで一人旅(緊張と不慣れで自マシンを全く目で追えず気づいたらそうなってたw)、これはもしかして!と思った5周目の下りでバランスを崩しコースアウト。悔しすぎる結末でしたが、マイクのお兄さんが「さあ残るはスラッシュリーパー、ラストラップだ!」とイイ声で叫んでくれたのが嬉しかったです。

午後のレース直前のマイマシンのリア部分

なお、当日のマニアックな実況とセッティング論については、以下の自作自演Togetterをどうぞ(一度まとめてみたかった)。

ミニ四駆ジャパンカップ2012大阪大会(自分用メモ) - Togetter

とても楽しいイベントでしたが、参加者の多くは家族連れやチームを組んでいたので、ひとりで参加すると時間を持てあまし、上のように寂しくiPhoneでツイートすることが多くなってしまいます(笑)。オータムカップが10月21日に大阪で開催されることが決まったそうで、この調子だとまた参加してしまいそうです。面白そうだなと思った方、ぜひいっしょにどうですか?