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e-Learning本つまんない発言の真意

夕方にTwitter

e-Learningの本ってなんであんなにつまんないの?読むの苦行に近い。いろいろ残念すぎる。

と何気なくつぶやいたら、その筋の方(謎)にツッコミつきRTを多数いただきました。言いきりもインパクトがあってTwitterらしいといえばそうなのですが、意図がよくわかんない発言にも見えるので、以下言葉を補っておきます。

元々このつぶやきを投稿したきっかけは、とある「e-Learningに関する基礎的な勉強ができる本」を書店で見つけてパラパラとめくってたら、何とも自分が期待してた本と違ってがっかりしたことにあります。ただ、書名を上げて言わないのは、まぁ批判するなら本を買ってちゃんと読んでからが筋だろう、と思うのがひとつ。この本に限らずe-Learningと名のついた本をめくって楽しそうだと思った経験がない、ということがひとつ。あと、僕はe-Learningの学問的な勉強をしたことがないので、詳しくないがゆえに誤解もあってそう感じる面もあるかもなぁ、というのがひとつ・・なわけです。

僕が情報教育系の研究会に時々顔を出すようになって5年くらいですが、よく勧められるというか誘われるのが「Moodleはいいよー」という話と「君もインストラクショナルデザインを勉強すべきだよー」という話。知らないより知ってた方がいいし、その評価は勉強してから下しなさいよっていうのは全くその通りなのですが、なんか関連の発表を見てても魅力的に映らないので、ガッチリ学ぶところまで行ってないんですよね。

何がそんなに魅力的じゃないのか、食わず嫌いの誤解を含んでいるかもしれないことを承知で言うと「それが前提としている学びのイメージが自分の関心のあるタイプじゃないなぁ」ということと「e-Learningって別にそいいうものに限らないはずなのに、それがイコールe-Learningって言ってるように見える」んですよね。

突拍子もない例かもしれませんけど、昨日はてなが「はてなモノリス」ってサービスを始めたんですよね。iPhone 3GSやAndroidアプリを使ってスマートフォンで持ち物のバーコードをスキャンしてデータベースに登録してみんなでシェアして遊ぼう!なサービスだそうです。だそうです、というのは、僕はiPhone 3Gなので遊べなくて悔しいからなんですけど(無理矢理アプリ入れてもちゃんと動かないのさ)。で、僕はそういうサービスを見ると「e-Learningに応用できたら面白いよなぁ、いやこれがITを使った学びそのものだよな」とか思っちゃうわけです。

僕は、情報系の教育関係者の中ではちょっと変わった星から来た人になると思うのですが、そういう遊びっぽいWebサービスとかから学びのインスピレーションを受ける人はきっと他にもいるでしょうし、そういうのも立派なe-Learningに含めていいし、そういう人がe-Learningを実践する手助けとなる本があったらいいのになぁと思うのです。そういうワクワク感を持って読める本がなかなかない。スゲー難しそうなことが書いてあって、何か遠い星のお友達のコトバって感じがするんですよね。

そもそもe-Learningの専門家ってどういう人なのか、正直よくわかっていません。僕はその定義に入ってないから「面白くない」と感じるだけで、本が想定してる読者には適切な情報の詰まった良い本なのかもしれません。でも例えば(僕はプログラムできませんけど)プログラムの本はいろんなスタンス、内容と視点のバリエーションがあるじゃないですか。硬派な本も、作ってみようよ!っていう本も、ライブラリのサンプル集もある。そういう幅の広さがe-Learningにもあれば、もっといろんな人が主体的に関われるんじゃないかと思うんですよね。

とまぁそういう思いが前からあって、その本の期待の裏切りかたが激しかったので、思わずつぶやいてしまったというわけです。特定の本やソリューションや頑張ってる人を批判をしたいわけではなくて、なんかこう柔軟性に欠けるというか、僕みたいな人もいてもいいって言ってください・・・という。情報教育系の学会に出入りしにくいと自分が感じるのもそこに理由があったりするのですが。

その筋の方で、それは誤解だよ本当はこうだよ!とか、こんな面白い本あるから読んで!とか、まぁ一度ちゃんと勉強してから出直しなさい!とかあれば、ぜひアドバイスよろしくお願いします。

追記(4月7日):知らないなりにですが、Moodleの良さとかインストラクショナルデザインの有効な現場とかがあることは分かっているけど、それがe-Learningの全てではないでしょ?というのが僕の思うところです。別のエントリでも書きましたが、ツールや教授方法の背景には教育観というものがあるので、どのケースで何が望ましいかは様々だと思うんです。でも本として出回ってるものは、特定のソリューション、特定のケースに偏りがちな気がするので、なんだかe-Learningってそういうものって印象を与えてるところが「残念」なんですよね。